【箱根への道】箱根復活狙う立大、宮古島で充実合宿…最高設備の新選手寮も完成

絶好の練習環境の宮古島で走り込む立大駅伝チーム
絶好の練習環境の宮古島で走り込む立大駅伝チーム
主将の増井(手前右)を中心に笑顔が広がる食事の時間。オンとオフの切り替えは絶妙
主将の増井(手前右)を中心に笑顔が広がる食事の時間。オンとオフの切り替えは絶妙

 2024年に行われる第100回箱根駅伝で1968年以来の復活出場を目指す立教大の2020年シーズンの挑戦が始まった。2月には沖縄の宮古島で充実した合宿を行い、3月には埼玉・新座市のキャンパス隣に選手寮が完成。そして、高校時代に活躍した有力新入生がチームに加わる。上野裕一郎監督(34)が率いて2シーズン目。「箱根への道」を力強く駆けている。

 「宮古ブルー」と呼ばれる美しい海に囲まれた宮古島。立大駅伝チームはオンとオフを巧みに切り替えて強化を図った。

 「最高の環境で全員が意欲的に練習に取り組んだ。一日平均で30キロ、多い日には50キロ以上、走り込みました」。

 主将の増井大介(新4年)は充実の表情で約2週間の宮古島合宿を総括した。

 さすが南の島。練習環境は抜群だ。春浅い2月でも気温は20度前後。車は少なく、適度なアップダウンもある。午前6時前から始まる朝練習、午前、午後の一日3回の練習は厳しい。その一方で海を眺めてチームメートと語らいながらの食事など楽しい時間もある。「昨年秋に決めた宮古島合宿参加標準記録を突破した選手だけが参加できる。参加した選手は全員が『絶対に来年も行く』と言っていますよ。合宿前も合宿中もモチベーションが高まります。狙い通りです」と上野監督は笑顔で話した。

 今春、多くの実力派ルーキーが加わる。チームに新風を吹かせることは間違いない。今季の新入生は上野監督が全国を飛び回って勧誘し「アスリート選抜入試」によって入学。一般入試入学した選手がほとんどの新2年生以上と有益な“化学反応”を起こしつつある。

 「新入生は力があるので、チームに活気が出て雰囲気が良くなるはず。上級生として負けられません」とエースの斎藤俊輔(新3年)はうれしそうに話す。

 大学最後のシーズンに臨む増井主将は確固たる決意を明かす。

 「全国の強豪校から来る新入生たちは『箱根駅伝の2区を走りたい』『僕は5区』とか普通に話している。彼らは本気で箱根駅伝を走るつもりで立教への入学を選んだ。現実的に考えれば、自分が今季に箱根駅伝を走ることは難しいけど、来季以降に彼らが箱根駅伝を走るための道筋はつくって卒業したい」

 立大は18年11月に24年の創立150周年記念事業として「立教箱根駅伝2024」をたち上げ、同年12月に上野監督が就任。24年の第100回記念大会で半世紀を超える復活出場を狙う。今年の新入生が4年になった時に迎える大会が、その第100回箱根駅伝だ。

 上野監督が就任前の18年箱根駅伝予選会は28位。上野体制で初めて挑んだ昨年の予選会は23位に浮上した。「今年のチーム目標は15位です」と増井は明かす。上野監督は「新入生に頼ってしまったら20位が精いっぱい。でも、増井や斎藤をはじめ、上級生が踏ん張れば15位になれる」と選手を励ますように話した。

 予選会突破ラインは通常大会では10位まで。100回の記念大会では増枠の可能性があるが、未定。確実に出場権を勝ち取るためには、あくまで10位以内の実力をつける必要がある。今年の第97回箱根駅伝予選会は第100回箱根駅伝への試金石となる。進化を続ける立大の挑戦は見逃せない。(竹内 達朗)

 ◆最高の設備誇る「紫聖寮」完成

  • 2人部屋の選手室。カーテンレールの位置が工夫されている
  • 2人部屋の選手室。カーテンレールの位置が工夫されている

 箱根駅伝常連校と同等か、それ以上の規模と設備を誇る選手寮が埼玉・新座市の新座キャンパスに隣接する好立地に完成した。その名も「紫聖寮」。延床面積1065平米の2階建て。2人用の選手室が20部屋、通常の浴槽と水風呂用の浴槽がある浴室、トレーニングルーム、治療室などが完備。広々した食堂では朝夕に専門業者が栄養管理した食事が提供される。

 選手室は上野監督のアイデアがふんだんに取り込まれている。左右の壁に沿って、ひとり分の机とベッドが置かれている部屋のカーテンは左右ではなく、手前側の机と奥側のベッドの間に設置された。「勉強や読書をしたい学生は手前の机で、寝たい選手は奥のベッドでゆっくり寝られる。カーテンを左右に分けて、それぞれのスペースにこもるよりコミュニケーションが取れる」と上野監督は説明する。部屋割りも工夫。体育会の選手寮では上級生と下級生の組み合わせが一般的だが、同学年の選手が相部屋。「部屋の中ではリラックスしてほしい」と上野監督は、その狙いを説明した。

 選手寮の完成によって強化は加速する。昨季まで各選手は実家、または独り暮らしのアパートで生活していたため朝練習は各自に任されていた。今季から午前5時50分に集合し、チーム全員で朝練習を行う。3月3日に行われた竣工式に出席した立教学院の白石典義理事長(66)は「箱根駅伝出場は目標の24年から23年、あるいは22年に早まるのではないでしょうか」と大きな期待を寄せた。

 ◆過去最高3位 史上最長の返り咲きへ

 立大陸上競技部は1920年に創部。箱根駅伝には34年に初出場し、通算27回出場。37~39年には4位、4位、5位と安定した成績を残し、57年には最高の3位と大健闘した。しかし、68年を最後に半世紀以上も箱根路から遠ざかる。立大が本戦に復活した場合、2009年大会で33年ぶりの出場を果たした青学大を超え、大会史上最長の“返り咲き”となる。

 創部以来、100年の歴史の中で2人の五輪選手が誕生。34~37年に4年連続で箱根駅伝に出場し、37年には10区区間賞に輝いた青地球磨男は36年ベルリン五輪800メートルに出場(予選落選)。2016年リオ五輪女子20キロ競歩16位の岡田久美子は今年の東京五輪でも代表に選ばれた。

絶好の練習環境の宮古島で走り込む立大駅伝チーム
主将の増井(手前右)を中心に笑顔が広がる食事の時間。オンとオフの切り替えは絶妙
箱根駅伝常連校と同等以上の選手寮が完成し、竣工式が行われた
2人部屋の選手室。カーテンレールの位置が工夫されている
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