【苅部俊二の目】五輪延期に短距離はピーキング難しいメンタルも心配

 本紙でリレー種目の評論を担当する苅部俊二氏(50)は、金メダルが期待される男子400メートルリレーなどトラック&フィールド種目について、秋季開催となった場合の課題点、ピーキングの難しさについて指摘した。

 延期は避けられない流れだろう。世界各地を転戦する最高峰ツアーのダイヤモンドリーグなど、多くの試合が中止という現状がある。金メダル候補の男子400メートルリレー代表も実戦の中で強化していくスタイルなので、通常開催だと五輪一発勝負となる懸念もあり、延期で準備の猶予期間ができるのは歓迎できる。ただ、時期が不明確で宙に浮いたままなのが一番問題だ。陸上選手は、ピークを合わせるのに何か月もかけて努力していく。なるべく早く日程を確定してほしいと思う。

 延期の時期は何案か検討されると思うが、例えば秋開催ではトラック&フィールドは寒さへの懸念が出てくる。瞬発系の種目は特に、寒ければパフォーマンスも落ちるし、けがのリスクも高まる。気温が下がる11月や12月は厳しく、何とか10月まで。従来の日程では、リレーをはじめ注目種目の決勝は夜間だが、日中の開催へ変更するなど柔軟な対応を求めたい。放映の問題などもあるだろうが、選手ファーストで、なるべくいい条件を設定してほしい。

 2年など長期延期の場合は、東京を集大成と考える選手の気持ちが心配される。私も31歳で迎えた00年シドニー五輪は、現役生活に一区切りつけるつもりで出た。20年があるからもう少し頑張ろうと努力してきたベテランが、あと2年と言われたらと思うとつらい。また、選考も仕切り直しを求められるだろう。もはやこの状況では、どの形に落ち着いても何かしらマイナス点は出る。何とか最小限に抑えられるように願うしかない。(法大監督、日本陸連強化・情報戦略部リレー戦略担当)

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