東京五輪、延期が決定的 車でランタン運ぶ案…聖火リレーに一般ランナー参加取りやめへ

聖火リレーを走る予定の主な著名人
聖火リレーを走る予定の主な著名人

 東京五輪は、新型コロナウイルス感染拡大の深刻化による延期が23日、決定的となった。延期は夏冬通じ五輪史上初めて。これを受け、大会組織委は26日に福島・Jヴィレッジから始まる聖火リレーに関し、一般ランナーの参加や、第1走者を務める予定だった2011年サッカー女子W杯優勝の「なでしこジャパン」の参加も取りやめるなど、大幅に規模を縮小する方針を固めた。代わりにランタンを車両で運ぶなどの方法が検討されている。

 東京五輪の延期が決定的となったこの日、聖火リレーの計画も大きな方向転換を迫られた。この日の会見で組織委の武藤敏郎事務総長は「政府のいう大規模イベントに当たらない形になるよう、新しいあり方を検討している」とコロナ対策に準ずる考えを明かした。

 感染防止に加え、大会の開催時期も未定となったことで、祝祭ムードがしぼんだ。リレーは26日に福島で始まるが、第1走者のなでしこジャパン・川澄奈穂美がいち早く辞退を表明。その後、川澄以外のメンバーや、一般ランナーの参加も取りやめる方針が判明した。代わりに聖火をともしたランタンを車に乗せ、予定コースを走る案が有力となった。

 聖火リレーは五輪の機運を盛り上げる大会前最大のイベントだ。今回は総勢約1万人のランナーが121日間をかけて全国859区市町村をまわり、日本の総人口の98%が車や電車で1時間以内がリレールートに行けるように綿密に組まれ、多くの人々が希望の火の訪れを待ち焦がれていた。

 だが、スタート前からハプニング続きだった。コロナ禍のあおりで、ギリシャでの採火式と引き継ぎ式、20日の日本への到着式などはことごとく無観客開催。ギリシャでは人気俳優を見るために観衆が殺到して2日目でリレーが中止になった。日本では、沿道に過度な人混みができた場合は、ランナーの順番を入れ替えたり、走る距離を短縮して対応する方針だった。「復興の火」として21日に展示された仙台駅東口では5万人を超える観覧希望者が殺到し、立ち止まっての観覧を打ち切っていた。

 福島・新地町で聖火を運ぶ予定だった会社員の鶴岡拓弥さん(24)は「予定通りの形でできないなら無理してやらずに、大会も含めて全て延期にして万全な体制で開催した方がいい」と語り縮小案に反対。「残念だが、来年でも再来年でも、本来の状態で走りたい」と話した。29、30日にリレーが予定され、全ランナーが確定済みの栃木県。宇都宮市を走る予定だった自転車ロードレースの増田成幸選手(36)は「聖火リレーは大会開催があってこそ意味が出てくると思っていたので、開催が不透明な中でやるより良かった」と理解を示した。

 26日の式典には組織委の森喜朗会長らが出席するものの、きわめて簡素なものになる予定。華々しくスタートするはずだった聖火リレーは、その意義さえ問われそうな幕開けを迎える。

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