慶大・堀井哲也新監督インタビュー「プロを目指す、伸びしろがある選手の指導楽しみ」

第20代の慶大監督に就任した堀井監督
第20代の慶大監督に就任した堀井監督

 昨年12月、東京六大学の名門・慶大野球部の新監督に、韮山高出身の堀井哲也氏(58)が就任した。現役時代は外野手として活躍。社会人野球の三菱自動車岡崎などで采配を振るい、2011年にはJR東日本を都市対抗で優勝に導いた名将が、春のリーグから母校で指揮を執る。慶大野球部20代目の指揮官に意気込みを聞いた。(取材、構成・塩沢 武士)

 ―130年以上の歴史がある母校の監督に就任して、どんなお気持ちですか。

 堀井「話をもらった時は、素直にうれしかった。また『KEIO』のユニホームを着られるという感慨深さと同時に、責任の重さを感じた。昨年12月1日の就任初日のミーティングで、選手一人一人の真剣な顔を見て、改めてやるしかないと」

 ―慶大では、第20代監督のようです。

 「静岡出身では上野精三さん(静岡中出)以来、2人目だということで、大変、光栄です」

 ―社会人では2チームで指揮したが、大学は初。

 「社会人は基本、大人の集団。でも、大学は、あくまでも学生。その後の人生にも大きく関わっていくことになるので、責任は大きい」

 ―選手の技量、考え方、精神面も社会人と大学生では全然違う。

 「そこは大きな違い。どちらかというと、社会人はプロ野球を目指して、入れなかった選手が来ることが多い。でも、大学はこれからプロを目指す、伸びしろがある選手が入ってくる。そこをどう指導するか、楽しみ」

 ―就任から3か月以上。だいぶ慣れましたか。

 「ようやく、選手、スタッフの名前と顔が一致するようになった」

 ―2月18日から今月5日まで米国でキャンプを慣行した。

 「いい勉強になった。向こうの大学生と5試合。ダイヤモンドバックス傘下のマイナーと2試合をやってきた。メジャーリーガーで(Dバックスの)ローテーション候補のロビー・レイが3イニング投げてくれた。本場の投手の球が見られたのは、金に換えられない経験だった」

 ―慶大の現役時代は、どんな選手でしたか。

 「韮山高から期待されずに入ってきた、ただの選手。なかなか出場機会がなく、試合に出られるようになったのは4年になってから。春の途中からスタメンになって、秋は5番・左翼で出場した」

 ―決して、エリート街道を歩んできたわけではないんですね。

 「僕の座右の銘は『練習は不可能を可能にする』という、小泉信三元塾長の言葉。慶大体育会に根付いていて野球部寮の玄関にも飾られている。現役時代も指導者になっても、この言葉を胸にやってきた」

 ―大学卒業後に入社した三菱自動車川崎では、現役生活は4年。監督として2011年にJR東日本を率いて都市対抗で優勝(準優勝は三菱自動車岡崎で1回、JR東日本で3回)して実績を残した。大学野球と社会人野球。戦い方の違いはどう感じていますか。

 「社会人は一発勝負。大学野球は勝ち点制で1つ負けても、2つ取ればいい。それでも、1試合の重さはあると思う。期間は都市対抗、日本選手権の予選も本大会も長くて2週間あまり。でも大学のリーグは約2か月にも及ぶから、ピーキング、コンディショニングが難しくなる」

 ―19年秋に優勝したチームを引き継ぐ。どんな野球をやっていきたい。

 「基本に忠実な野球をやっていきたい。自分が在学中の4年間は、優勝出来なかった。4年秋は、法大に最終回2点差をひっくり返されて逆転負け。結局、それが響いて2位に終わった。自分が優勝したい、というよりも、学生に優勝の喜びを味わわせてあげたい」

 ―今、体重が大台(100キロ)に乗ったとか。

 「胴上げの時に、選手が大変だから、少しはやせた方がいいかな(笑い)」

 ◆慶応義塾体育会野球部 東京六大学に所属。1888年(明治21年)に「三田ベースボール倶楽部」が発足し、この時点を野球部の創部としている。2019年秋を含めてリーグ戦の優勝は37回(戦前8回、戦後29回)。全日本選手権(52、63、87年)、明治神宮大会(85、92、00年)はともに3回制している。主なOBは水原茂(元巨人)、別当薫(元毎日)、藤田元司(元巨人)、高橋由伸(元巨人)ら。

 ◆堀井 哲也(ほりい・てつや)1962年1月31日、田方郡函南町生まれ。58歳。韮山高から慶大に進学。卒業後は三菱自動車川崎に入社。現役引退後はマネジャー、コーチを務め、1993年に三菱自動車岡崎の創部に伴い転籍し、97年に監督に就任。2004年に同社野球部が活動停止となり、05年にJR東日本に移籍。11年に監督として都市対抗優勝に導いた。177センチ、100キロ。右投左打。家族は夫人と2男。

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