千葉麻美さん「福島からのスタートに大きな意味」…北京五輪出場、第1子妊娠中に震災

聖火到着とリレーを楽しみにしている千葉麻美さん
聖火到着とリレーを楽しみにしている千葉麻美さん

 復興五輪をうたった東京大会の聖火が日本に到着した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、ギリシャでのリレーが途中で中止になるなど、紆余(うよ)曲折があったが、千葉さんもこの日を待ちわびていた一人だ。

 「聖火が到着してリレーが私の地元・福島から、震災で大きな被害を受けた浜通りからスタートすることに大きな意味がある。聖火を間近で見てもらうことは五輪に興味を持ってもらう方法の一つだと思います」

 2008年北京五輪。女子400メートルで同種目の日本勢44年ぶりの出場を果たした。結果は予選敗退だったが9万人を超えるスタジアムの熱狂は今も肌から離れない。

 「歓声が地響きでした。緊張で距離の感覚が分からなくなったのはこの時くらい。聖火がともっていたことは分かりましたけど、見る余裕はありませんでした」

 2度目の五輪を目指す中、10年に結婚。同年末に妊娠した。子供に五輪で走る姿を見せたいと、出産後の復帰を見据えて練習を再開した直後に東日本大震災に遭った。停電などで情報もつかめず、夫が住む山形へと避難した。津波や原発事故など、福島は甚大な被害を受ける中、1か月間は何もできない日々が続いた。

 「ずっと福島で生まれ育って応援もしてもらいました。大変な状況で私ができることは何か。福島で競技を続けて頑張る姿を見せるのが恩返しだと思いました」

 同年9月に長女を出産後も競技を続け、15年には北京世界陸上に1600メートルリレーの代表として出場。16年に現役引退し、昨春から故郷・矢吹町の職員として小中学生に体育の授業を行ったり、部活動や陸上クラブで指導している。

 「教えている子供たちや私の娘たちに走っている姿を見せたいと思って聖火ランナーになりたいと思いました。走れることになり、本当に楽しみにしています」

 新型コロナウイルスの感染防止の対策から同町の小中学校は現在、休校中。卒業式も規模縮小で行われた。子供たちが校庭で元気に走る姿は町から消えている。

 「早く子供たちと一緒にスポーツを楽しみたい。聖火リレーのトーチは購入して、子供たちにたくさん触ってもらおうと思います。少しでも五輪を近くに感じてほしいから」

 ◆千葉 麻美(ちば・あさみ)1985年9月25日、福島・矢吹町生まれ。34歳。旧姓・丹野。矢吹中1年から陸上を始め、郡山東高3年時に全国高校総体女子200メートル、400メートル優勝。日本選手権は400メートルで福島大1年の2004年など5度の優勝。世界選手権は05、07、09、15年に出場し、07年大阪大会で準決勝進出。08年北京五輪400メートル、1600メートルリレー出場。400メートルの自己ベスト51秒75は日本記録。162センチ。家族は夫と2女。

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