新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2月下旬から全公式戦を中断しているJリーグが、今季J1、2とも降格なしとする案をクラブ側に提示していることが18日、関係者への取材で分かった。リーグの日程確保が目的で、19日にクラブとのウェブ会議で協議する。提案ではJ2、3とも上位2チームを自動昇格させる。今季18チームのJ1は2021年シーズンは20チームで争い、下位4チームを降格として22年シーズンから18チームに戻すことを検討している。
終息の見えない新型コロナウイルスの影響が、ついにJリーグの大会方式変更にまで及ぶ可能性が出てきた。複数の関係者によると、リーグ側は今季J2、3への降格なしを各クラブに提案しているという。クラブからの同意が得られれば、2004年シーズン以来となる降格チームなしのリーグ戦開催となる。各クラブ代表者が参加する19日のウェブ会議で協議される。
4月3日の再開を目指しているリーグは、先行きの不透明を踏まえ、4月17日、または5月1日への再延期も視野に入れているという。中断期間の延長が長引いた場合、現状の大会方式では、すべての公式戦を年内に消化することができなくなる見通しで、毎年12月に行われている昇格プレーオフ、入れ替え戦を開催できなくなる恐れがある。また、変則日程で競技、運営面で公平性が保てない場合も考慮し、昇降格について議論を本格化した。
今季のJ1、2は2月21~23日に開幕戦を終えたが、政府の方針なども受けて同25日に、J3も含めてリーグの延期を決めた。その後、日本野球機構(NPB)と新型コロナウイルス対策連絡会議を発足して対応策を協議してきた。専門家の意見を受けて当初予定していた3月18日再開案を、4月3日に再延期。現状を「国難」(村井満チェアマン)とし、「健康最優先」で決定を下してきた。
J1のチーム数を増やせば、2021年は過密日程が続くことになるが、終息が見えない現状を踏まえれば致し方ない。リーグは25日をめどに4月3日再開の可否を判断する。再開が4月17日までずれ込んでも全公式戦を消化できる可能性があるが、5月以降まで遅れるとルヴァン杯の大会方式変更など大幅な改変も迫られる見通しだ。
◆Jリーグのコロナ対応経過
▽2月25日 政府の「1、2週間が瀬戸際」との見解を受け、3月15日までの全公式戦延期を発表
▽3月2日 NPB(日本野球機構)と共同で「新型コロナウイルス対策連絡会議」(以下新型コロナ―)を設立すると発表
▽同3日 第1回新型コロナ―を実施。専門家から感染症対策を確認
▽同9日 第2回新型コロナ―を実施。中断期間を延長し、4月3日再開を目指す方針を定める。リーグ内に4つのプロジェクト(日程調整・大会運営・財務・環境衛生保全)を立ち上げる
▽同12日 理事会で3月の全公式戦を延期することを正式決定
▽同14日 日本協会が天皇杯の大会方式変更を発表。J1クラブは4回戦(32強)、J2は昨季10位以上のクラブが3回戦から、11位以下は2回戦より参戦