J1浦和が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で休校しているさいたま市内の公立の小中高、特別支援学校の計94校に向け、選手による卒業生向けのメッセージ動画を届けた。
今月上旬、教員の知人から「休校により卒業式が中止、縮小開催、延期となった子供たちに対して何かできることがないか」という相談を受けたMF長沢らが発案。チームメート、スタッフらと相談し、ホームタウンのさいたま市内の公立の小中高、特別支援学校の計94校に対し、全選手が参加して卒業メッセージを送ることになった。
7日から撮影をスタート。13日から16日までに、対象の学校に対してYouTube(限定公開)のURLを個別に送信。学校側はホームページに掲載するなどして生徒、児童らにメッセージが届けられた。
冒頭、長沢が各校の校名を読み上げる94通りの動画を制作。ズラリと並んだ選手が「卒業おめでとうございます!」とメッセージが送られ、各選手がリレー形式で「コロナウイルスの影響で大変かと思いますが」「笑顔と元気で一緒に乗り切りましょう」などと呼びかけられた。
発起人の長沢は「子供たちの立場に立って考えるとなかなか苦しい状況だと思います。自分が小学生や中学生で、こういう状況で卒業式ができないと言われた時に、今まで練習してきただろうし、本当に悲しいと思います。少しでも元気が出るような、メッセージをもらってうれしくなる、そういう心の支えみたいなものになればと思っていました。浦和レッズや選手がその立場になれるチャンスがあるんだったら、必要なんじゃないかなと思っていました」とコメント。
今回の試みについて「Jリーグや浦和レッズの理念でもありますけど、地域に貢献していくために、Jリーグはチーム数を増やして、地域と密着した関係を築いてきました。ここで何をするか、試合ができない状況で僕たちが何をするべきか、チームとしても、選手としても考えなければいけません。それがいまやるべきことかなと思います」と思いを明かした。