五輪組織委理事が激白「1年延期」7・24オリンピック開幕は「とても難しい」

国立競技場をバックにライトアップされた五輪マークのモニュメント(カメラ・小泉 洋樹)
国立競技場をバックにライトアップされた五輪マークのモニュメント(カメラ・小泉 洋樹)
20年東京五輪・パラの予定と、21年同時期の主な国際大会
20年東京五輪・パラの予定と、21年同時期の主な国際大会

 新型コロナウイルスの感染拡大により東京五輪・パラリンピックの開催延期論が浮上している中、大会組織委員会の理事、関係者が17日、スポーツ報知の取材に応じ、1年延期を主張した。30日の組織委理事会で考えを述べる予定。この理事らは今年7月開催は困難との見方を示す一方、選手の立場を最大限尊重し「1年延長が限度」と説明。高橋治之理事(元電通専務)が主張している2年延期には疑問を呈した。

 この理事らは、東京五輪・パラリンピック開催の現状について「新型コロナウイルスの世界の広がりを見ていると、7月24日開幕はとても難しい。延期になった場合でも、クリアしなければならない問題は多数あるのは承知している」と話した。その上で、「2年延期の話が出ているが、今年の五輪を目指してきた選手、特に今回を最後と考えてきた選手にとって、2年延期となるとピークは過ぎ、出場するのは厳しい。もちろん、感染が終息しての前提の中で、延ばしても1年までがギリギリではないか」と語った。

 この理事らの念頭にあるのは、高橋理事が先頃、米紙のインタビューに「1、2年延期するのが最も現実的な選択肢」と答えたこと。スポーツイベントがぶつからないとして、2年後が最も容易との考え方を示した。また、多額の放映権料を支払う米NBCユニバーサルが、秋以降はNFLやNBAの米人気スポーツ放送のために、五輪を秋に開催することは難しいと主張。主役であるはずの選手が置き去りにされた主張は容認できなかった。

 さらにこの理事らが懸念しているのは、80年モスクワ五輪と同じような選手を出してしまうことだ。ソ連のアフガニスタン侵攻に抗議する形で米国、日本など多くの西側諸国が同五輪をボイコット。柔道の山下泰裕、マラソンの瀬古利彦、レスリングの高田裕司ら有力選手が出場できなかった。

 「幻のモスクワ五輪代表は、結団式もできなかった。その後の人生で、自分がモスクワの代表だったと言えず、大きな心の傷を負った人も多かった。アスリートは、五輪に向けて人生をかけてやっている。2年延期では、世界中で同じような経験をしてしまう選手が出てしまう」と力説した。

 来年7月には世界水泳が福岡で、同8月には米ユージーンで世界陸上が行われ、日程の調整だけでも容易ではない。五輪開催可否の判断を下すのは、あくまで国際オリンピック委員会。30日の東京五輪・パラリンピック組織委員会理事会では、日本側の主張をまとめる場となりそうだ。この理事らは「皆さんで議論することになると思うが、私たちはアスリート・ファーストでの意見を述べたい」と話した。

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