J1清水エスパルスのGKネト・ヴォルピ(27)、GK新井栄聡(24)、GK梅田透吾(19)がベテラン不在のピンチを救う。チームは14日、三保で計3時間の2部練習を行った。12日にGK西部洋平(39)が右太もも裏肉離れで全治3か月の診断。昨季後半戦から正GKだった大久保択生(30)も右手親指の骨折で復帰は未定。再開予定のリーグ鳥栖戦(4・4、駅スタ)から続く過密日程を力を合わせ乗り切る。
再開後過密日程もワンチームで挑む ピッチに倒れ込むたびに、オレンジ色のユニホームが汚れていく。ネト、新井、梅田は、アダウトGKコーチ(41)の強い雨を切り裂くボールに体を投げ出し続けた。ゲーム形式の練習では主力選手のシュートもキャッチ。最後方からパスもつないだ。気温約10度と冷え込んだピッチでも、ゴール前は熱を帯びていた。
今季はここまでリーグ1試合、ルヴァン杯1試合の計2試合が行われたが、ベテランGK2人の離脱で、状況は厳しくなった。今年1月、キャンプ地の鹿児島で大久保が全治3か月の大けが。今月12日には、2試合でベンチ入りしていた西部の長期離脱を発表。クラモフスキー監督(41)は「経験のある特別なGK。早く帰ってきてほしい」と話すなど、緊急事態に頭を抱えていた。
リーグ再開は4月4日、鳥栖戦の予定。中3日でルヴァン杯・名古屋戦(8日)が続く。リーグ戦、ルヴァン杯計7試合の延期がすでに決まっているため、再開後は過密日程になる可能性が高い。今季、2戦フル出場している新守護神候補のネトは「GK3人でよく会話をしているし、いい感じにできている」と総力で挑むことを誓った。
公式戦出場のない2人もアピールする。昨季、J2金沢へ期限付き移籍するもピッチに立てなかった新井は「いいパフォーマンスができている。監督のやっているサッカーはできている」と自信。梅田は「僕と新井さんにとってはチャンス。ネトから正GKを奪うつもりで練習していく」と鼻息は荒い。指揮官も「若手のGKにはハードワークしてほしい。チャンスが来た時に向け準備することが大事」と期待を寄せる。
今季からアダウトGKコーチが就任。梅田は「練習はハードになって、体脂肪率も減った。まずは練習試合に出て、チャンスをものにしたい」と話す。ネトも「日に日に慣れてきている。早く再開が待ち遠しいよ」と手応え。エスパのゴールを守るため、中断期間に猛特訓に励む。(山田 豊)