東京五輪を巡る潮目が変わった…延期でも21年は世界水泳&世陸、22年冬季五輪&サッカーW杯…記者の目

 新型コロナウイルスの感染拡大がパンデミック(世界的大流行)の局面に入ったのを受け、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が夏の東京五輪開催の是非について注目発言を行った。12日にドイツ公共放送ARDが報じたインタビュー番組で「世界保健機関(WHO)の助言に従う」と述べたもの。ドナルド・トランプ米大統領も1年延期を提案。「中止・延期」の世論が、徐々に強まってきた。

 * * * *

 バッハ会長、トランプ米大統領の発言など、東京五輪・パラリンピック開催をめぐって潮目が変わってきたように感じる。開催の形を考慮する段階に入ったと考えるのが現実的だ。中止となると、組織委員会は7000億円近い損失になるとの試算も出ている。IOCや、五輪を放送する放送局も中止に伴う保険に入っているとされるがダメージは小さくなく、何とか開催したいところだろう。

 組織委、東京都は「予定通り開催する」と発言しているが、水面下では延期を想定して、さまざまなシミュレーションを行っているのではないか。秋冬への延期は、多額の放映権料を払う米放送局が、NFLやNBAと日程が重なるとして、同意することは考えられない。

 それならば1年後なのか2年後なのか。いずれにしても、ハードルは高い。21年7~8月に福岡市で世界水泳が予定される。8月に米国で世界陸上があり、五輪のメイン競技が重なる。22年は北京冬季五輪、秋にはサッカーW杯がドーハで行われる。会場の確保の面では、プロ野球、サッカーのJリーグが使う球場やスタジアムの調整をやり直さなければならなくなる。

 大会後に改修して計23棟のマンション(約5600戸)として供給される東京・晴海の選手村は23年3月には入居が始まる予定。既に一部の住戸を販売しているが、引き渡しが遅れる恐れも出てくる。コンサートなどで活用することで唯一、年間約3億8000万円の黒字を見込むバレーボール会場「有明アリーナ」も、企業グループへ予定通りに引き渡せなくなる。ボランティアは集め直すのか。入場券はどうなるのか…。問題は山積みだ。(久浦 真一)

スポーツ

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 バックナンバー申し込み 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請