羽生結弦、来季も現役続行表明「今の限界の先へと行けるよう」新型コロナで今季思わぬ幕切れ 

2月に開催された四大陸選手権で、演技を終え歓声に応える羽生結弦
2月に開催された四大陸選手権で、演技を終え歓声に応える羽生結弦

 フィギュアスケート男子で五輪連覇の羽生結弦(25)=ANA=が12日、来季も現役を続ける意思を明らかにした。今季最終戦で、18日に開幕予定だった世界選手権(カナダ・モントリオール)が新型コロナウイルスの感染拡大で中止になったことを受け、日本スケート連盟を通じ「来シーズンに向け、今の限界の先へと行けるよう、練習していきます」とコメント。北京五輪プレシーズンとなる2021年も、競技者として滑り続ける。

 開幕を1週間後に控えたこの日、決断が下された。国際スケート連盟(ISU)は11日(日本時間12日)、世界選手権の59年ぶりの中止を発表した。羽生にとってもショックは大きかったに違いない。それでも前を向いた。「来シーズンに向け、今の限界の先へと行けるよう、練習していきます」。北京五輪のプレシーズンとなる来季へ意欲を見せた。

 世界初の4回転半ジャンプ(クワッドアクセル)成功という「限界の先」へ向かっていく。平昌五輪時のプログラムに戻した2月の四大陸選手権で、男子で初めてジュニア、シニアの全主要国際大会を制する「スーパースラム」を達成。世界選手権でのクワッドアクセル挑戦について「壁は高くて確証はないけど、一応そのつもりではいる」と視野に入れていた。「自分のプライド」と口にする大技投入は、現役続行を表明した来季に持ち越しとなった。

 3年ぶり3度目の世界王者奪還が懸かった今季最終戦の中止の一報は、拠点のカナダ・トロントで受けた。羽生はまず第一に、周囲を思いやった。「残念ではありますが、選手のみならず、観に来られる皆さまや大会運営のスタッフの方々への感染拡大のリスクが、少しでも減ったことに安堵(あんど)する気持ちもあります」。日本を含む多くの国から観戦客が訪れる予定だった。

 ISUは開催の方向で準備を進めていたが、9日にモントリオールがあるケベック州の保健省が感染拡大への危機意識を募らせ、事態が急転した。中止を決めた11日、同州の責任者は「パンデミック(世界的大流行)も宣言され、これが住民を守る最良のシナリオ」とコメント。ISUは今年10月以降、年内の代替開催を検討するとしている。

 「今回の中止を受けて、改めて新型コロナウイルスについて、また、ウイルス感染について考える機会ができたと思っています。より一層、注意を払って生活していかなくてはと思いました」とメッセージを送った。苦しみながら、自分のフィギュアスケートを取り戻したシーズンは、思わぬ形で幕を閉じた。味わった喜びも悔しさも来季の進化の糧にする。(高木 恵)

 ◆羽生の19―20年シーズン プログラムはショートプログラム(SP)が「秋によせて」、フリーが「Origin」でともに2季連続。GPシリーズはスケートカナダで初優勝し、2戦目のNHK杯も連勝した。5度目の優勝が懸かっていたGPファイナルはネーサン・チェン(20)=米国=に敗れて2位。昨年末の全日本選手権は宇野昌磨に次ぐ2位。2月の四大陸選手権から、金メダルを獲得した18年平昌五輪で使用したSP「バラード第1番」、フリー「SEIMEI」に戻した。SPで111.82点をマークし、自身の世界最高得点を更新した。

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