日本シリーズ、本拠地以外で開催も…コロナで日程ずれ込むなら11月末

スポーツ報知
東京ドーム

 新型コロナウイルスの感染拡大によるプロ野球の開幕延期に伴い、日本シリーズ(S)を本拠地以外の球場で実施する可能性が出てきた。12球団は日程確保のため日本Sの日程変更を軸にクライマックスシリーズ(CS)の中止を含めて検討中。日本Sを遅らせた場合は球団によって本拠地が使用できない可能性があるため、球界関係者は「本拠地開催にはこだわらない」と他球場開催も視野に入れる考えを示した。

 11日、都内で行われた12球団営業担当者会議では、4月開幕に向けて複数の日程案が出された。感染拡大が続き開幕日を固められない現状だが、日本野球機構(NPB)の井原事務局長は「それぞれの週末(金曜日)から始めるとどうなるかを検討した」と説明。10日、17日開幕案を中心に、3日、24日を含め4案が協議されたとみられる。3日と17日は5試合だが、同事務局長は「今の形のまま」と、5試合でも開幕する可能性を口にした。既に12球団は143試合の実施を最優先する方向性で一致。井原事務局長は「3月20日から開幕日までの(延期した)何試合を後ろに回さなければいけないか、という考え方」と話した。

 延期分の日程を確保するための基本方針は、日本Sを遅らせる案で、11月中に最終戦を終える想定という。日本Sは11月7日にセ本拠地で開幕し、第7戦は15日。2週間遅らせた場合は同21日に第1戦、同29日に第7戦となり、11月28日に最終戦を行った50年より遅い“史上最遅”の可能性がある。

 一方、同20日からはヤクルトの本拠地・神宮で高校・大学の全国大会の明治神宮大会(6日間)、同22日からは巨人の本拠地・東京Dで社会人の都市対抗(12日間)を開催予定。他球場を含め、日程変更で本拠地開催が厳しくなる球団も複数あるが、球界関係者は「本拠地が優先だが、他球場、地方球場での開催も考えられる」と明かした。

 12日には12球団代表者会議で日程再編案を協議する。今季は東京五輪前後の7月21日~8月13日を公式戦休止期間に設定。開幕が大幅にずれ込めば日程はさらにタイトになるため、日本Sの日程変更に加え、CS中止を組み合わせるなどの対応策を取る可能性もありそうだ。

 ◆日本シリーズの本拠地以外での開催(52年のフランチャイズ制以降)

 ▽53年〈6〉戦 後楽園が本拠地の巨人と大阪球場が本拠地の南海の対戦だったが、当時のシリーズの特別規約により、1試合だけ甲子園での開催に変更された。

 ▽62年〈5〉戦 東映の本拠地・神宮で学生野球が開催されるため後楽園に変更。

 ▽74年〈3〉~〈5〉戦 ロッテの本拠地・仙台に施設上の不備があり、後楽園で開催。

 ▽78年〈1〉〈2〉〈6〉〈7〉戦 ヤクルトの本拠地・神宮で学生野球が行われるため、後楽園に変更。

 ▽79年〈1〉〈2〉〈6〉〈7〉戦、80年〈3〉~〈5〉戦 近鉄の本拠地・日生は収容人員3万人に満たないため、大阪球場で行われた。

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