12日に聖火採火式…日本上陸前に8日間ギリシャ巡る聖なる火

ギリシャ、アテネのパルテノン神殿
ギリシャ、アテネのパルテノン神殿

 東京五輪の聖火採火式が12日、古代五輪が行われたギリシャ・オリンピア遺跡で行われる予定だ。近代五輪では1936年ベルリン大会で初めて行われ、52年ヘルシンキ大会からは「公式行事」に盛り込まれている。20日の日本到着を前に、ギリシャでは19日までの8日間、国内全域をカバーして聖火リレーも実施され、2004年アテネ五輪女子マラソン金メダルの野口みずきさん(41)らも参加。東京大会の第一歩が五輪発祥の地で始まる。

 4年に一度の世界的ビッグイベントの始まりは、厳粛な神事だ。採火式が行われるのは古代五輪が開催されたギリシャ・オリンピア遺跡のヘラ神殿前。男子禁制で非公開の中、古代の衣装に身を包んだ巫女(みこ)が、凹面鏡で太陽光を集めてトーチに採火する。第1走者は2016年リオ五輪射撃女子25メートルピストルの金メダリスト、アンナ・コラカキさん(23)で、女性が務めるのは初めて。ここから7月24日の東京・国立競技場までの聖火リレーがスタートする。

 1964年東京大会ではオリンピアからアテネまで1日かけて夜通しで聖火リレーが行われた。今回は夏・冬通じて4度目の日本開催で初めてギリシャ全土を走行する。8日間で約600人が参加。シュリーマンによる発掘で有名なミケーネや柱状岩山の上に修道院があるメテオラ、厳格な教育の語源となったスパルタ、マラソンの起源となったマラトンやポセイドン神殿があるスニオン岬を通り、最終日の19日は古代神殿のアクロポリスから1896年の第1回近代五輪の会場でもあったパナシナイコ競技場まで運ばれ、東京五輪組織委員会へ引き継がれる。

 開催国への輸送には、各国の伝統や最先端技術を垣間見ることができる。76年モントリオール大会では聖火を電子パルスに変換。衛星を使ってアテネからオタワに“瞬間移動”した。日本では炎を出さずに燃焼し、安全に火種を保つ国産のベンジン充填(じゅうてん)式カイロが活躍。64年東京五輪でランタンの予備として使われ、98年長野冬季五輪ではランタンに代わる「主役」として聖火を輸送した。今回採用されるかは発表されていないが、カイロ製造元のハクキンカイロ(大阪)の的場恒夫社長(75)は「聖火は五輪のハイライト。自社製品に収められれば名誉なこと。うちのカイロは最後のとりでになれる」と語る。

 聖火は20日に宮城・東松島市の航空自衛隊松島基地に到着。東日本大震災で大きな被害を受けた宮城、岩手、福島各県の2か所ずつで「復興の火」として展示された後、26日に福島のJヴィレッジで国内の聖火リレーがスタートする。到着式の規模が縮小されるなど、新型コロナウイルス感染拡大の不安はある中だが、東京五輪は聖火とともに走り出す。

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