御嶽海、無観客なら平幕が勝つ!異例の土俵、大荒れ予想の春場所「楽しみです」

場所前最後の稽古を行う御嶽海
場所前最後の稽古を行う御嶽海

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、史上初の無観客開催となる大相撲春場所(エディオンアリーナ大阪)が8日に初日を迎える。異様な雰囲気に包まれることは必至。過去2度の優勝経験がありながら西前頭3枚目まで番付を落としている御嶽海(27)=出羽海=は7日、大阪・堺市の部屋宿舎で最終調整した。大関候補と呼ばれた実力者は復権に向けて、大荒れの展開が予想される賜杯レースを一気に抜け出す決意だ。この日、場所前恒例の土俵祭も無観客で行われた。

 静寂に包まれる15日間が、幕を開ける。御嶽海は無観客の春場所を前にしても、落ち着き払っていた。「誰も経験したことがない。楽しみですよ。どうなるか分からないから。不安は皆あると思う。そこから誰が抜け出すか。『現役だから経験できる』と捉えたい」。強がりではない。やると決まったからには前を向く。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で史上初の無観客開催。土俵に立つイメージは誰にもできない。横綱・白鵬が「想像できないというか、不思議な感じ」と言えば、同・鶴竜も「どんな感じか分からない」と明かす。上位陣といえども、精神的な動揺は避けられない。

 過去に1945年6月の夏場所が、戦争の影響で旧両国国技館で観客を入れない非公開で行われた。傷痍(しょうい)軍人らが招待され7日間開催となった異例の場所は、平幕の備州山が4横綱を抑えて全勝で初優勝。満員御礼の大歓声がない普段とは異なる雰囲気の中、伏兵が賜杯を手にする荒れた場所となった。「今は誰が優勝するか分からない」と話す、2度のV経験者・御嶽海。「荒れる春場所」を演出する実力に、疑いはない。

  • 通常開催場所との主な違い

    通常開催場所との主な違い

 この日は立ち合いの確認などで最終調整。昨年秋に2度目のVで、九州場所では2度目の大関取りに挑んだが6勝9敗。歴代2位の17場所連続三役を手放すと、初場所も負け越して15年春場所の初土俵から初の2場所連続の負け越しを味わった。「純粋に悔しかった。勝ち越して、また三役にも戻らないといけない」と、期する思いがある。

 初日は初顔の人気者・炎鵬(宮城野)戦。今年の目標を書いた色紙には、「全勝する」と書いた。「全部勝つつもり」という思いともう一つ、野望がある。「全勝すると優勝額に『全勝』と書かれる。それもつかんでみたい」。力士ら協会員に感染者が出れば即中止となるが、まずは初日。“完走”すれば歴史的な場所となる春で、復活の狼煙(のろし)を上げる。(大谷 翔太)

 ◆御嶽海の2度の優勝

 西関脇だった18年名古屋場所は、初日から11連勝で単独トップを独走すると、12日目に敗れたが13日目は白星。14日目に栃煌山を寄り切り、初優勝を決めた。2度目は19年秋場所で、初日に黒星を喫したが千秋楽まで3敗をキープ。8日目に押し出しで敗れていた貴景勝との優勝決定戦を寄り切りで制し、12勝で2度目の賜杯。5度目の殊勲賞にも輝いた。

 ◆1945年6月の夏場所 同年3月の東京大空襲を経て、激しさを増す戦禍から観客を守るため、国技館で観客を入れない一般非公開で行われた。当時は傷痍軍人を招待するなどしていたため無観客ではなかった。開催は6月7日から7日間。前頭筆頭の備州山が初日に横綱・羽黒山を破るなど7戦全勝で初優勝した。

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通常開催場所との主な違い
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