【東京五輪 社会学】テコンドー中国代表、事前強化合宿地の日本に1か月足止め

マスクを着用し、中国代表の練習を見学する小山町立須走小の児童たち
マスクを着用し、中国代表の練習を見学する小山町立須走小の児童たち

 世界で拡大を続ける新型コロナウイルスは、日本で事前に強化合宿を行う東京五輪・パラリンピック選手団にも影響を及ぼしている。テコンドーの強豪国として知られる中国代表は約1か月、日本国内滞在を余儀なくされている。終息の見通しが立たない中、事前の会場視察などをキャンセルする国も出ている。(奥津 友希乃)

 テコンドーの中国代表が、ウイルスの影響で母国に帰ることができず、強化合宿を日本国内で続けている。

 五輪金メダリスト3人を含む中国代表は、静岡市内で1月15日から強化合宿を開始した。2月5日に帰国予定だったが、中国で新型肺炎が急拡大したことから帰国を断念。日本で新たな合宿先を探すこととなった。

 さまよう中国代表に助け舟を出したのが、管健民総監督と交流のあった静岡・小山町でホテルを経営する台湾籍の社長だ。宿泊施設を提供し、映画の撮影などに使われていた同町内の体育館を練習場として確保するなど協力。代表チームは、約70キロ北東に移動し、同9日から練習を再開した。

 中国はテコンドーの強豪国として知られる。リオ五輪金メダル・趙帥(男子58キロ級)を含む選手30人と、スタッフなど計37人が練習に励んでいる。小山町はホストタウンではないが、「一流選手が滞在しているせっかくの機会」(同町職員)と、交流イベント開催を打診した。

 同25日には、町内の小学4年生36人が練習場を訪れた。参加した児童らは感染症対策のためマスクを着用し、選手からテコンドーのルールや、蹴り技の指導を受けた。同町の担当者は「子供たちは初めて触れる競技に興味津々で、実際に選手の練習を見学して『蹴りが鋭くてかっこいい』と感動していました」と明かした。

 海外での国際大会出場のため小山町での滞在は2月末までの予定だったが、ウイルスの影響で大会が中止に。ホテル側の厚意で8日まで滞在を延長することになった。ホテル側は「新型肺炎に関連する話は、選手や中国にとって敏感な問題。詳しいことはお答えできないが、8日まで町内で練習を続けると聞いている。その先は、別の合宿地を探す予定」としている。専門家の間では、世界的な終息には相当の時間がかかるとの見方が強い新型コロナウイルス。五輪出場選手にまで影響は表れている。

 ◆モンゴルなど事前キャンプ中止

 新型コロナウイルスの影響で事前キャンプを中止する国も出始めている。

 モンゴルのアーチェリー選手団を受け入れる予定だった愛知県岡崎市では、キャンプ開始2日前に中止の連絡があった。当初は2月19日から3月7日まで合宿を行い、市民とも交流を深める予定だった。

 市スポーツ振興課によると、来日予定だったモンゴル選手団は男女各4人、監督、コーチの計10人。2月21日には地元の中学校を訪れ、全校生徒約450人の前でアーチェリーを披露したり、モンゴルにまつわるクイズなどをし、今月5、6日には、愛知産業大アーチェリー部と試合を行う計画だった。大会直前にも合宿があるが、市の担当者は「『残念です』との声もありますが、開催を前提に準備を進めていきたい」と話している。

 北九州市では、2月26日にコロンビアのオリンピック委員会からメールで「事前キャンプを中止したい」との連絡があった。日本からの渡航者に入国管理措置を取ったことを受けての対応だった。同市では大会前に10競技の事前キャンプを行うという。

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