【有森裕子の本音】厚底は「シューズに走り方を合わせる」

有森裕子
有森裕子

 きょう3月1日は、東京マラソンが開催されます。新型コロナウイルスの影響でエリートランナーのみの出場となりましたが、東京五輪の男子代表が決定する大会。大迫傑選手や設楽悠太選手ら有力選手の走りを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。

 両選手が履いている厚底シューズが本大会でも使用できるかどうかという点も注目されていた中、世界陸連は1月の終わりに「靴底の厚さは40ミリ以内、埋め込みのプレートは1枚までの市販品」という条件付きながら「OK」の決定をしました。内容については、無難に収まったという感想を持っていますが、だからといって「問題なし」ということではありません。

 何より、このタイミングでの決定というのは遅過ぎます。少なくとも、1年前にはルールを定めておくべきでした。今回の厚底シューズの問題は、直前になって話題になったのではなく、かなり前からその効能がいわれてきたものです。五輪開幕まで半年を切った時点で、もしいきなり「ダメ」となったら困った選手も多かったでしょう。

 道具が進化するということに関して、私は否定するつもりはありません。また、道具の能力を最大限に生かすためには、まず使う選手に実力が備わっていることが第一なのも事実です。ただ、プレートは、能力を生かす「補助」以上の効力がある…というのが持論でもあります。

 私が現役だった時代は、各選手の走り方にシューズを合わせるという考え方でしたが、厚底シューズを使うには「シューズに走り方を合わせる」ということになっているようです。それは、時代の流れということなのかもしれません。いずれにしても、ルールは決まったわけですから、その中で最大限の走りをしてほしいと思います。(女子マラソン五輪メダリスト)

社会

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