高速レース必至「新厚底」は正直重い、疲労たまる終盤にリスクも…いざ東京マラソン〈中〉

記者会見で目標タイムをボードに書き込み披露する(左から)大迫、設楽悠、井上(カメラ・清水 武)
記者会見で目標タイムをボードに書き込み披露する(左から)大迫、設楽悠、井上(カメラ・清水 武)
ナイキの新シューズ「エアズーム アルファフライ ネクスト%」
ナイキの新シューズ「エアズーム アルファフライ ネクスト%」

 東京マラソンでは五輪代表争いはもちろん、足元にも注目が集まる。大迫らトップ選手が履く可能性もあるナイキの新たな厚底シューズ「エアズーム アルファフライ ネクスト%」を順大で駅伝主務を務めた太田涼記者が実際に手に取り、その印象を語った。

 あるトップ選手の手元に届いた通称「アルファフライ」を手に取る機会に恵まれ、真っ先に感じたのは「ん? 重くないか?」だった。片足200グラム以上はあろうかという重量感。先代モデルにあたる「ズームエックス ヴェイパーフライネクスト%」が180グラム前後であることを考えると、レース用シューズとしては重い部類だろう。

 重さを犠牲にしながら改良された部分が、分厚いソールだ。世界陸連の新規定「4センチ以内」をすれすれでクリアしている靴底の厚さは、実際に見ると強烈だった。薄底・軽量というレーシングシューズの常識を覆してきたナイキの「厚底革命」だが、ここまで厚いと履きこなせる選手は間違いなく限られる。

 東京マラソンに海外招待選手として出場するバシル・アブディ(ベルギー)は「履いてみたけど、けがしちゃったよ」と冗談めかして話してくれた。理由は「厚すぎて、カーブなどバランスを取りにくいんだ。アキレス腱(けん)や足首への負担が大きくて。だから、持ってきていない」。厚さが出ることでぐらつきやすくなり、路面状況やカーブの角度次第では足をひねる可能性もある。特に、今回は20キロ過ぎと35キロ過ぎに折り返し地点もあり、疲労のたまる終盤になるほどリスクは高まりそうだ。

 前足下の2つのエアは硬さがあり、クッション性というよりは地面からの反発を受けやすい設計になっていると感じた。ただ、エアをうまく利用できないと着地でバランスを崩しやすい構造にも見える。こればかりは実際に履いて、走ってみないと分からない。

 足の甲部分の変化も賛否が分かれると感じた。新たなニット素材が採用されたが、伸縮性はあまりなく、サイズ感は従来製品と異なる印象。オンライン購入する前に、実際に足を入れてみたいところだ。

 「ネクスト%」はトップ選手から市民ランナーまで万人受けするシューズであることに対し、「アルファフライ」は重さやけがなど、ある程度のリスクもあると感じた。一方でこのシューズが進化を続けると、どんな“相棒”になるのか、期待感は増すばかりだ。

 ◆シューズに関する新規定ポイント

 ▽靴底の厚さは4センチ以下(スパイクは3センチ以下)。

 ▽挿入可能なプレートは1枚まで(スパイクは取り付け用プレートを除いて1枚まで)。

 ▽レース後であっても、違反が疑われる場合、審判は選手に検査のため靴を提出するよう要求できる。

 ▽4月30日以降の大会は、4か月以上前から市販されているものでなくてはならない。ただし、4月30日までに発売された商品には適用されない。

 ▽「美観上の理由」「医事的理由」での市販品カスタマイズは可能。

 ※短距離用スパイクなどにも適用

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