東京五輪の開催可否は5月リミット…IOC最古参委員が言及 新型コロナ収束しなければ「中止検討するだろう」

東京五輪のメインスタジアム、国立競技場のフィールド
東京五輪のメインスタジアム、国立競技場のフィールド

 新型コロナウイルス感染拡大で開催を危ぶむ声が出始めている東京五輪について、国際オリンピック委員会(IOC)で最古参委員が、開催是非の判断期限は引き延ばせて5月下旬との見方を示した。AP通信が25日、1978年から同委員を務めるディック・パウンド氏(77)=カナダ=のインタビューを報じた。同氏は、事態が収束しなければ「中止を検討するだろう」とも推測した。

 開催を危惧する声が出始めている東京五輪ついて、IOCの重鎮が言及した。パウンド氏はAP通信のインタビューに対し「(五輪を開催するには)2か月の準備が必要になる」と、ウイルス感染収束の“デッドライン”が東京五輪開幕の2か月前となる5月24日前後と語り、事態が収束できていない場合は「中止を検討するだろう」との見解を示した。

 これまで夏季五輪は1916年ベルリン、40年東京、44年ロンドンといずれも戦火による中止はあるものの、疫病蔓延(まんえん)による中止は過去にない。世界反ドーピング機関(WADA)の元委員長で、ロシア陸上界の組織的なドーピング問題を調査した第三者委員会の責任者を務めたこともあるパウンド氏は「これは私たちが直面している新しい戦争」と表現。「(収束していない状況下で)安心して東京に行くことができるだろうか」と訴えた。

  • 今後の五輪関連主な日程

    今後の五輪関連主な日程

 開催延期を求める声があがり、ロンドン市長選で候補者が12年大会の会場を使用した代替開催を訴える中、パウンド氏が挙げたのは中止の可能性だった。開催地変更には準備が短く、他都市での代替開催や分散開催は難しいと指摘。また、延期についても米プロフットボールNFLや米プロバスケットボールNBAのシーズンと重なるため、巨額の放映権料を支払う北米のテレビ局が納得しないだろうと否定的だ。

 現在、日本国内では次々とスポーツの試合や大会が中止、延期が決定。その一方で、3月26日から始まる聖火リレーに関しては、大会組織委員会の武藤敏郎事務総長が「聖火リレーを延期することは不可能だ」とし、橋本聖子五輪相は体調不良の人は沿道を訪れるのは控えてもらうなどの対応が必要だと指摘している。

 IOCには東京五輪マラソンの開催地を東京から札幌に変更する力はあるが、パウンド氏個人の影響力がどれほどあるのかは不明。五輪・パラリンピック組織委員会のある関係者は「よほどのことがない限り、開催する方針に変更はない」と語った。

 ◆過去の五輪の開催中止

 ▽1916年ベルリン五輪(夏季) 第1次世界大戦で

 ▽40年東京五輪(夏季) 日中戦争による戦況の悪化で自ら返上。代替地としてヘルシンキ(フィンランド)が予定されたが、第2次世界大戦により中止

 ▽同札幌五輪(冬季) 日中戦争により中止

 ▽44年ロンドン五輪(夏季) 第2次世界大戦により中止。繰り越しで4年後に開催

 ▽同コルティナダンペッツォ五輪(冬季) 第2次世界大戦により中止

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