テレ朝幹部が披露した34年ぶり復活「金曜8時」のプロレス中継への気概…「コアなファンにとって視聴率1%台で低かったと切り捨てるのはちょっと違う」

金曜8時に帰ってくるテレビ朝日のプロレス中継の目玉、新日にカネの雨を降らせる「レインメーカー」ことオカダ・カズチカ
金曜8時に帰ってくるテレビ朝日のプロレス中継の目玉、新日にカネの雨を降らせる「レインメーカー」ことオカダ・カズチカ
超人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の総帥にしてIWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタルの二冠を保持する内藤哲也
超人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」の総帥にしてIWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタルの二冠を保持する内藤哲也

 テレビ朝日の「プロレス中継の老舗」としての自信と気概がビンビンに伝わってくる会見だった。

 25日、東京・六本木の同局で行われた亀山慶二社長・COO(61)の定例会見。席上、4月からBS朝日で毎週金曜午後8時から「ワールドプロレスリングリターンズ」が放送されることになったことについて、総合ビジネス担当の武田徹副会長が「地上波ではありませんが、あのファンにはおなじみの金曜20時の枠でプロレス放送がレギュラー放送されることが決定しました。ご期待いただければと思います」と自信を見せた。

 同番組はゴールデン帯(午後7時~10時)の金曜8時から8時54分まで毎週1時間の放送。「リターンズ」という言葉に「再放送か?」と思う人もいると思うが、あくまでも近々の大会でのメインイベントなどビッグマッチの放送を長尺で流す形だ。

 この件については、1万1411人を動員した今月9日の新日「THE NEW BEGINNING in OSAKA」大会中に電撃発表され、詰めかけた観客が喜びの雄叫びをあげる一幕があった。

 私自身もこの復活劇に興奮。発表翌日の10日に「34年ぶりに帰ってくる金曜8時の『ワールドプロレスリング』…テレ朝の“決断”の裏側」と題したコラムを「スポーツ報知WEB」上にアップした。この記事は大きな反響を呼び、ファンからのコメントも殺到した。

 「これは熱い報(しら)せ。待っていた!」

 「たとえBSでもすごいこと。ゴールデン帯に放送されるのは、近未来の地上波放送に向けた世間へのアピールとして大きい」

 「プロレスにとって、地上波での枠拡大、もしくは早い時間帯への復帰こそ急務だ」

 新日の看板レスラーたちも即座に呼応した。「100年に1人の逸材」棚橋弘至(43)が「金曜8時で復活しまーす! 家族みんなでご飯を食べながら是非プロレスを楽しんでください!」と呼びかければ、バラエティー番組でも人気の真壁刀義(47)も「新日のものすごい闘い見逃すんじゃねーぞ! 言いたいことはそれだけだ」と吠えた。

 プロレスを取り巻く様々な声がどこまでも熱かったから今回の編成判断について、武田氏に聞いた。

 「『金曜8時』にこだわったのはプロレス中継の老舗としての誇りからなのか。また、復活までには社内で長い議論があったのか」―。

 武田氏はこちらをじっと見つめると、「編成の詳細についてはBS朝日の判断ですが、金曜8時というのはご承知のように、プロレスファンにとって非常に懐かしい時間帯、枠だと思います。その辺を意識しながら、編成を最終的に決めたと聞いています」と「金曜8時」という時間へのこだわり、大切さを口にした。

 そう、テレ朝にはプロレス中継における長い歴史と経験がある。前身のNET時代の1969年にプロレス中継を開始。昨年に放送50周年を祝った老舗中の老舗だ。70年代にはアントニオ猪木(76)、80年代には初代タイガーマスク(佐山聡=62)というドル箱スターを擁し、視聴率20%超えが当たり前。実況アナウンサーから古舘伊知郎氏(65)というスターまで生み出した。

 しかし、87年3月に生中継を終了。93年4月からは毎週土曜深夜2時からの30分間録画ダイジェスト放送の「ワールドプロレスリング」に落ち着いていた。BS放送とはいえ、今回のゴールデン帯でのプロレス放送復活は34年ぶりとなる。

 ただ、心配な点もある。今年1月4、5日に史上初めて東京ドームで2日間連続開催され、両日合計で7万71人の観客を動員した「WRESTLE KINGDOM14 in 東京ドーム」を同局は地上波で2日連続午前2時から当日オンエア。しかし、平均視聴率は4日1・6%、5日1・1%と、やや寂しいものだった。

 だから、武田氏に重ねて聞いた。

 「1・4、5の地上波放送のやや低い数字を踏まえた上で、今回の復活への勝算は?」―

 今度はメガネの奥の目をギラリと光らせてこちらを見た武田氏は「時間帯が時間帯ですので、そういう数字が出るという言うのは、ある程度、予測していました」ときっぱり。さらに「逆に言えば、プロレスの放送と言うのは非常にコアな視聴者の方にご覧いただくので、1%台で低かったと切り捨てるのは、ちょっと違うのかなと思います。1%以上の数字が、あの時間帯でも取れたというのは、むしろ手堅かったのかなと思います」と続けた。

 1%台で大騒ぎする私の疑問に真っ正面から答えたプロ中のプロのテレビマンの分析に、こちらは、ぐうの音も出なかった。

 自信の裏側には、プロレス界で“独り勝ち”とも言われる観客動員を続ける新日ブランドへの信頼がある。今年8月22日には2年連続で米国の格闘技の殿堂・マジソン・スクエア・ガーデンでの大規模大会も開催する。

 会場を埋めるプ女子(プロレスファンの女性たち)の胸を熱くさせるきら星のような人気レスラーたち。Tシャツ始めグッズがバカ売れの超人気ユニット「ロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン」を率いる現在、IWGPヘビー級とIWGPインターコンチネンタルの二冠王者・内藤哲也(37)、新日にカネの雨を降らせる「レインメーカー」オカダ・カズチカ(32)、抜群のルックスで女性人気NO1の「ゴールデン☆スター」飯伏幸太(37)、43歳になったとは言え、「エース」としてまだまだ人気NO1の棚橋だって健在だ。

 1人のプロレスファンとして、心から期待してしまう武田氏の言葉の数々。この発言こそがプロレス中継51年目に突入した老舗の気概と自信を表しているのは確かだ。

 桜咲く4月に帰ってくる「金曜8時のプロレス中継」。もう、待てない。その瞬間が、私は楽しみでしようがない。(数字はビデオリサーチ調べ、関東地区)

(記者コラム・中村 健吾)

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