道産子俳優・岩城雄太&長手慎介、来月15日閉館・北海道四季劇場へ熱い胸の内を激白…単独インタビュー

スポーツ報知
ファイナル公演へ気合十分の岩城雄太(左)と長手慎介(カメラ・川上 大志)

 2011年1月に道内初の常設劇場として開場以来、数々の名作でファンを魅了してきた札幌市の北海道四季劇場が、3月15日に閉館する。ファイナル公演として18年12月より続く「リトルマーメイド」には、道産子も多数出演中。シェフ・ルイ役/リーワード役の岩城雄太、フロットサム役の長手慎介=ともに札幌市出身=が「スポーツ報知」の単独インタビューに応じ、熱い胸の内を語ってくれた。(取材・構成、川上 大志)

 ―いよいよ、千秋楽が近づいてきました。

 岩城(以下、岩)「グランドオープンの11年『ライオンキング』にも出演した。出れば出るほど愛着も湧いて…。ここでの思い出は心の宝物と思って日々の公演に臨んでいます」

 長手(以下、長)「家族や親戚、旧友も見に来てくれた。公演を通してずっと会っていなかった人と二、三十年ぶりに再会、なんてこともありましたね」

 ―劇俳優を志したのも、札幌での観劇がきっかけ。

 岩「元々テニス部で、高2で『キャッツ』を見た。そこから研修生として劇団四季に入りたいと大学でダンスを始めました。でも1回目の受験は書類審査で落ちて。ダンスを磨くためにニューヨークに渡った」

 長「僕は高3のときに札幌で見た『オペラ座の怪人』。中高はバレーボール部で、自分には無理と思いながらも大学で声楽の勉強も始めたんです。でも結局、普通に会社に入って…」

 岩「めちゃくちゃもうけてたって聞いたよ?」

 長「有楽町の、とあるITベンチャー企業に入って気づいたら取締役になっていた(笑い) でも劇団への思いが消えず。働きながらオーディションを受け続け3回目で合格した。岩城さんも苦労されたと」

 岩「ニューヨークには1年だけいるつもりが、結局5年以上いた。01年に9・11の同時多発テロがあって…。すぐに日本に帰って11月のオーディションで合格した。今は18~20歳で入る子も多いから、僕たちは異色の存在と言えるかも」

 ―キャリアを重ねても若々しい。体重管理などは?

 岩「本番前には毎朝クラシックバレエをやる。札幌にいるとおいしいモノも食べ過ぎるから、公演前後はジムに通っている」

 長「僕は時間を見つけては、25メートルプールを20周くらいひたすら泳いでます」

 ―まるでアスリート。

 岩「本番の一瞬のために、どれだけ地道な努力を積み重ねるか。そういう意味ではアスリートに近い。スポーツ界では、やっぱりイチロー選手に憧れるかな。劇団では“キャッチボール”という言葉を使う。セリフを投げて投げ返して。球を投げる動作をしながら、芝居の練習をしていますよ」

 長「打者は1試合で3~4打席。僕らも2時間半の公演でスポットライトはごく一部。そこで最高のパフォーマンスを発揮できるか」

 ―主人公アリエルと恋に落ちる王子エリックに仕えるシェフ・ルイは、観客を沸かせる役回り。

 岩「たぶんコメディーって真剣なほどおもしろい。劇中では無くてもいい場面かもしれないからこそ、究極の箸休めになるように。お客さんに日頃の苦しいことも全部忘れてもらえたら」

 ―フロットサムは、アリエルの敵役にあたるアースラに仕える難しい役回り。

 長「アースラのために何が出来るか。正しいことだと信じて役に入っています。ただ、ひねくれたとらえ方はするようにしている。舞台がデトックスになって、普段はすごくいい人ですよ」

 ―劇中では「才能を授かったものには、責任がある」というトリトン王(アリエルの父)の印象的な言葉もあります。最後にメッセージを。

 岩「この劇場で何作品も出演させてもらった。お客さんもラストに向けて盛り上がりは増している。僕たちは劇団四季という、大きな看板を背負っている。千秋楽まで1回1回の公演が最後だという気持ちで、大切に届けていきたい」

 長「大それた才能はないけど、強いて言えば劇団四季に入れたという運の強さ。ここに立てていること自体が、すごいこと。道内在住でまだ見ていない人は、劇場があるうちに是非見に来て頂きたいですね」

 ◆岩城 雄太(いわき・ゆうた)2月21日、札幌市生まれ。札幌平岸高、大東大からニューヨークに渡りダンスを学ぶ。入団前も舞台を多く経験し01年11月オーディション合格。02年『キャッツ』スキンブルシャンクスで劇団四季の初舞台を踏む。『リトルマーメイド』では初演よりシェフ・ルイを演じカニのセバスチャンと軽快なやりとりを繰り広げる。好きな地元飯もカニ。175センチ。

 ◆長手 慎介(おさて・しんすけ)12月12日、札幌市出身。札幌西高、道教育大札幌校から、会社勤めを経て、08年10月にオーディション合格。09年『ライオンキング』男性アンサンブルで劇団四季の初舞台を踏む。『リトルマーメイド』では17年名古屋公演よりフロットサム(海ヘビ)を演じる。劇を離れても、趣味は水中に潜るシュノーケリング。好きな魚介はホッケ。172センチ。

 ◆「リトルマーメイド」とは 海底に住む人魚アリエルは海の王トリトンの末娘。地上の世界に憧れる彼女はある日、航海船に近づき人間の王子エリックに恋をする。父の忠告も聞かず思いを募らせる彼女に目を付けたのは、海の魔女アースラだった。様々な“決断”をしながら未来を切り開こうとするアリエル。恋と夢と冒険の物語は、心に響く歌声、多くの海の生き物の彩りとともに進んでいく。

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