東京Vの「ユニホーム革命」舞台裏 常識を覆した「かっこいいユニ」が飛ぶように売れている理由

東京Vの公式ユニホーム(クラブ提供)
東京Vの公式ユニホーム(クラブ提供)

 J2東京Vのレプリカユニホームが、飛ぶように売れているという。販売開始から2日間の売り上げは、前年比で160%、前々年と比べれば370%のアップ。驚異の数字をたたき出している。

 サッカー界だけでなく、デザイン業界、ビジネス業界でも大きな話題となったのが、ユニホームに掲載されるスポンサー(パートナー)のロゴがゴールドで統一されている点だ。金字に輝く企業名が実にスマートに映えており、かっこよさを助長している。世界でも類を見ない革新的デザイン誕生の舞台裏に迫った。

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 常識を疑うところから始まった。「かっこいいものを作らないと売れません。その中で、『企業さんのロゴがデザインを殺してしまっているのではないか』と思うこともありました。逆にネガティブに思われて、企業評価を下げてしまうのではないか、と。スポンサーロゴをペタっと貼っている常識を疑おうぜという話になりました」。完成に奔走した東京Vのパートナー営業部・佐川諒氏は明かす。

 J2はメディアで大きく取り上げられることが少ない。単純な露出機会という土俵で戦うよりも、「話題性で(企業の)価値を上げられることもできると思いました。ユニホームも売れ、手元に届く回数も増えます。その方が企業さんにとっても価値があることではないかと」(佐川氏)。単純な売上額の追求だけでなく、企業の露出価値を高めることを目指した“企業目線”の取り組みでもあった。

 しかし、ヴェルディというブランドを通じた露出効果を狙う企業側にとっては、本来のコーポレートカラーとは異なる形での“宣伝”となってしまう。企業にとって、ロゴは「シンボル」であり、「アイデンティティ」だ。「シンボル」を浮き立たせるために下地を入れた方が目立つし、「アイデンティティ」そのものの文字色を使用する従来の掲載スタイルの方が認知や購買意欲につながると考えるのが普通である。

 だが、ヴェルディには、双方にとっていいものを作ろうとしている確信があった。佐川氏は「企業さんのイメージも上がるはずです、と伝えました。シンプルにメディア露出と戦うよりも、こうやって話題になってたくさんの人の手元に渡ったほうが企業さんのイメージも上がります、と。『めちゃくちゃかっこいいですね』と喜んでくださっています」と話す。頭を下げるのではなく、各企業と手を取り合う形で唯一無二のユニホームが完成した。“パッと見”の視認性よりも、「かっこいいデザイン」を生み出すことによる波及効果を狙った。

 結果は前述の通り、数字となって現れた。サッカー界だけでなく、デザイン・ファッション業界でも大きな話題に。スポンサーシップという概念に一石を投じることにもなり、ビジネス業界からも注目を浴びた。佐川氏は「ヴェルディは親会社がなくなり、つぶれかけた過去があります。いろいろな人が離れていってしまった。企業さんと本気で向き合わないと、ああいう時代をもう一度起こしかねません。そんな背景も僕たちの原動力にあります」と語る。

 業界の常識を覆して誕生したユニホーム。そのデザインはスポンサーファーストであり、何せクールなのでサポーターファーストでもあり…。知れば知るほど、かっこいい。(岡島 智哉)

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