世界的ゲームデザイナー・小島秀夫氏が若者に伝えたいこととは

トークセッションに登壇した小島秀夫氏(中央)
トークセッションに登壇した小島秀夫氏(中央)

 『メタルギア』シリーズで知られる世界的ゲームデザイナー・小島秀夫氏(56)が、悩める若者たちに提言した。19日、都内で行われたトークセッションに登壇。大手ゲームメーカーを飛び出し、2015年に個人プロダクションを設立。裸一貫から昨年“絆とつながり”をテーマにした最新作『デス・ストランディング』を発表し、その独特なゲーム性で世界中から喝采を浴びた同氏が、“プロフェッショナルの仕事”について語った。

 ゲーム制作歴34年。環境は変わったが、ものづくりの姿勢は「何も変わっていない」と言う。「(独立して)事務所探しとか、人を探して面接とか、銀行なんかに行ったりしましたが、やってることは同じですから」

 “ないものをつくる”のが身上だ。1986年に入社した大手メーカーでは、パソコンゲームの部署に配属された。「表現力の乏しいMSX。ファミコンにも負けていた。だから世界観をつくるしかなかった」。性能が低く、キャラクターも満足に表示できない機種。だから、逆転の発想で敵兵を避けて戦地に潜入する『メタルギア』を生み出した。「それ(制約)が逆によかった」と振り返る。

 「あるものをつくるのは僕の出番ではない」と言い切る。最新作の『デス・ストランディング』も配達人を主人公に、見知らぬ人同士がオンラインでつながる今までになかったゲーム。コンセプトは「人のためになること」だという。「自分のために(川に)橋を架け、(崖に)ロープをかける。それが後から来る人の役に立つ。“いいね”をもらってそれがお金(ポイント)になる」。斬新なシステムだが「スタッフは反対した」という。「新しいものには(反論は)絶対ある。そこは曲げなかった。自分のセンスを信じた」

 結果、『デス・ストランディング』は世界的にヒットした。「僕的にはストーリーを見てほしいんですが、ずっと道路を作ったり、配達ばっかりしてる人もいるんですよね。そこはうれしい誤算ですけど」

 若手クリエイターへの提言として「ものをつくる人は、プロデューサーをやらないといけない」と話す。「自分の理想を実現するには、ブレずに自分のセンスを信じること」。すべての責任を負う覚悟のもと「とにかく自分を信じてほしい」と力説する。

 小島氏にとって“いい仕事”とは。「人の記憶に残ること。人に親切にすることでもいい。生きた証を残すこと」。小島氏の信念をゲームという形で具現化したものが『デス・ストランディング』そのものなのだろう。(平柳 洋希)

 ◆センスの源は「本屋」

 小島氏は“自分のセンス”を磨く方法も教えてくれた。「本屋に行くこと。今、何がはやってるかがわかる」。書店には無数の本があるが「本当に面白い本はその中の100~150冊程度。いい本に出会えるかどうか、自分の下地が試される」。出版不況で本屋が減っている現状には「自分が(書店を)継ぐしかないね」と笑った。

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