羽生、大谷と同じ94年生まれ、なでしこの“谷間世代”田中美南が下した五輪イヤーの大きな決断

五輪出場を目指す田中美南
五輪出場を目指す田中美南

 フィギュアスケートの羽生結弦、プロ野球・エンゼルスの大谷翔平、広島の鈴木誠也、バドミントンの桃田賢斗、競泳の瀬戸大也、スピードスケートの高木美帆… 1994年生まれは、スポーツ界のゴールデンエージだ。今夏の東京五輪でメダル獲得が期待される選手も多い。

 ただ、サッカー女子日本代表のなでしこジャパンでは“谷間世代”と言えるだろう。昨年のフランスW杯では誰もメンバー入りしなかった。16強で敗退し、取材を終えて帰国すると、社内では94年生まれのFW田中美南を推す声が多かった。「リーグ得点王の田中は何で呼ばれない? 日テレから10人も選ばれていて分かり合っているから、点も取れそうなのに」。代表と日テレは違うチームだから…と思いつつ、聞いていたのを覚えている。

 年が明け、なでしこジャパンは東京五輪金メダルを目指し、2月14日にJヴィレッジで始動した。そこで、田中はスパッと言い切った。

 「ベレーザの選手でベレーザのサッカーなら生きる。ベレーザだと何も話さなくても出来る、あうんの呼吸がある。でも、代表はミックス。色んなチームから集まって、個を生かす中で、自分は生きなかった」

 五輪イヤーの今季、田中は16年からリーグ4年連続得点王、2年連続MVPにも輝いた日テレを離れ、INAC神戸に移籍した。「ベレーザより、ビルドアップのところはできないかもしれないけど、それでも常にリーグ上位に絡んでいる。個人技、パワー、迫力があるということ。そこでやったら、つなぎ役、連携でゴールまで行くところがもっと成長できると思った」。代表に昨季と今季のチームメートが多く、特徴を理解していることもプラスだ。

 私は1995年1月生まれ。囲み取材の後、田中に「同い年なんですよ。代表にこの学年がいないのはちょっと寂しくて(笑い)。だから何だかうれしいです」と話しかけると、「そうなんですね! ありがとうございます。前に何度か話しましたよね?」と言ってくれた。取材現場では、いつでも一人一人に視線を向ける。昨年のW杯メンバー発表後は、複雑な思いを抱えていただろう。そんな時でも、真摯な受け答えに人柄が表れていた。

 同級生の活躍はうれしい。田中は、最後に「じゃあ、次からため口で」と笑った。東京五輪開幕まで、あと約5か月。「チャレンジすることに、直感的なわくわく感がすごくあった。後悔のないようにあと半年間やるだけ」。どんな結果になるだろう。勝負の年の大きな決断が、良い方に向かって欲しいと思う。私も楽しみだ。(記者コラム・小又 風花)

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