高橋英輝、まさか五輪お預け…警告ミスで動揺?最多V6逃し「難しかった」

◆陸上 日本選手権競歩20キロ(16日、神戸市・神戸市・六甲アイランド甲南大周辺コース)

 男子で、16年リオ五輪代表の高橋英輝(27)=富士通=は1時間19分53秒の3位となり、6連覇と今大会での五輪内定を逃した。レース中盤では歩型違反の警告枚数を誤掲示される異例のミスもあったが「自分の歩きが悪かった」と言い訳なし。最終選考会の全日本能美大会(3月15日、石川)で残り2枠の代表権を目指す。

 高橋は、ぼう然と天を仰いだ。残り2キロ。ドーハ世陸王者の山西 利和(24)=愛知製鋼=とデッドヒートの最中、累積の歩型違反で2分間の待機罰を受けた。「(待機したら)終わりですね。応援してくれる人のために、最後まで歩ききるだけだった」。史上最多を更新する6連覇も、2大会連続の東京五輪代表切符も、スルリと逃げていった。

 心は乱れた。8キロで2枚目の「ロス・オブ・コンタクト」(両足が同時に浮 く)の警告が掲示された。累積3枚になると待機罰。高橋も「難しかった」と慎重な歩きを余儀なくされたが、実は伝達ミスによる誤掲示。15~16キロで新たに「ベント・ニー」(接地で膝が曲がる)の警告が出た時点で待機罰の対象だったが、集計係は警告を2回目と把握していたため、ペナルティーゾーンには誘導されなかった。掲示係は異変に気づき、2枚目の「ロス・オブ―」を外した。選手が警告枚数を知る手段は掲示板だけ。審判員主任の藤崎明氏は「大変なミス。掲示確認を怠った。心理的な負担をかけたのは間違いない」と陳謝した。ある関係者も「聞いたことがない」と驚いたほどのミス。ただ、当の高橋は「勝負とは関係ない。自分の歩きが悪かった」と認めた。

 潔さの裏には世界で戦う思いがある。今回は五輪と同じ1キロ往復コース。審判9人のうち5人は、五輪でも歩型を裁く国際審判員だった。掲示ミス以前に、本番さながらの舞台で複数の警告を受けたのは課題だ。「(山西らと)フォームの練度が違う。少し無理して体を動かしていた」と自己分析。今村文男・五輪強化コーチも「トップスピードを出した時の動きの精度が求められる。(五輪審判の)傾向は分かったので、対策が大事」と背中を押した。

 20キロの代表は残り2枠。高橋は3月の全日本能美大会で日本人最上位となれば、無条件で五輪内定を得られる。「まだチャンスがあるので頑張りたい」と前を向いた。ドーハ世陸では残り500メートルをゴールと間違えて倒れ込み、後続に逆転されて入賞を逃す10位。名誉挽回を期す東京の舞台へ、必ず立つ。(細野 友司)

 ◆高橋 英輝(たかはし・えいき)1992年11月19日、岩手県生まれ。27歳。花巻北高2年から競技を始める。岩手大に進み、2015年2月の日本選手権で初優勝。同年4月に富士通入りし、8月の北京世陸初出場(47位)。16年リオ五輪は42位。17年ロンドン世陸は14位。175センチ、56キロ。

 ◆競歩の歩型違反 両足が同時に浮く「ロス・オブ・コンタクト」と、接地で膝が曲がる「ベント・ニー」の2種類がある。種類にかかわらず累積3回の警告で、ペナルティーゾーンに入る待機罰となる。20キロでは2分間、50キロでは5分間待機した後でレースに復帰できるが、累積4回目の警告を受けると失格。最終周回で累積3回の警告に達した場合は、ゴールタイムに待機時間(20キロ2分、50キロ5分)を加算して順位を出す。歩型は主任を含む9人の審判団で裁き、各審判は警告を出す前に何度か注意を与えることもある。警告は集計された上で、コース上の選手から見えるように速やかに掲示される。

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