里見香奈女流名人、無傷3連勝で11連覇…林葉直子さんや清水市代女流六段超え史上最強

11連覇を達成し、金メダルを11枚首にかけ、指で「11」と示す里見香奈女流名人(カメラ・谷口 健二)
11連覇を達成し、金メダルを11枚首にかけ、指で「11」と示す里見香奈女流名人(カメラ・谷口 健二)
感想戦で対局を振り返る里見(左)と谷口
感想戦で対局を振り返る里見(左)と谷口

 将棋の「第46期 岡田美術館杯 女流名人戦」(主催=報知新聞社・日本将棋連盟、特別協賛=ユニバーサルエンターテインメント、協賛=トラベルシリウス、写光レンタル販売)の5番勝負第3局が11日、岡山県真庭市の湯原国際観光ホテル菊之湯で行われ、後手の里見香奈女流名人(27)=清麗、女流王位、倉敷藤花=が94手で挑戦者の谷口由紀女流三段(26)に勝ち、3連勝で女流名人を防衛。女流棋戦歴代単独最多となる11連覇を達成した。女流名人11期目も単独最多に。史上最強の女流棋士として棋史に名を刻んだ。

 節目の勝利を手にした後、頬をピンク色に染めた里見は絶対王者にふさわしい言葉を3度も口にした。「間違えにくく指せた」。必要なのは「出雲のイナズマ」と称される鮮やかな寄せでも、歴史に残る絶妙手でもなかった。形勢を大きく損ねるミスさえ犯さなければ勝てる、という自信こそが11連覇への礎だった。

 圧倒的記録を圧倒的な将棋で樹立した。序盤、先手中飛車から銀を繰り出す谷口の研究手順を向かい飛車で悠然と迎え撃った。「神経を使いましたけど、駒を自然に活用していったので(形勢が)大きく悪くなることはないと思っていました」。自然な指し手を淡々と重ねて主導権を握った。終盤、一瞬のスキで十字飛車の王手銀取りを実現させると一気の寄せに走る。最後は持ち時間を1時間以上も余して完勝した。

 11連覇は1981~90年度に女流王将を10連覇した林葉直子さん(52)を超える女流棋戦歴代単独最多記録。男性棋戦を含めても、上に羽生善治九段(49)と故・大山康晴十五世名人しかいない連覇記録となった。女流名人11期も清水市代女流六段(51)の10期を上回る単独最多に。「最初に獲得したのは学生の時。(島根から)大阪に出てきたり変化もありましたけど、地元の方々の変わらない声援が励みになって頑張れました。(記録は)光栄ですけど、結果には執着せずに」

 当然、無敗で勝ち続けているわけではない。今期は西山朋佳女流3冠(24)との3度のタイトル戦に全て敗れた。「自分の弱いところがたくさん分かった。強くなるために直さなきゃいけないところが具体的に」。好敵手の出現を自分を見つめ直す契機にした。「勝ちたくて勝ちたくて仕方ない、という昔とは違います。勝負を楽しみたいし、将棋を指す喜びを感じたい」

 今期の公式戦(いわゆる男性棋戦)は12勝11敗と五分以上に戦っている。一時は棋士編入試験の受験資格獲得に王手も掛けたが、里見に受験の意思はなかった。「(近づけば)違う感情もあるかもと思いましたけど、一緒でした。自分は目指してるんじゃないと思いましたし、受かるにはまだ力が足りない」。今は目の前の勝負だけを見つめている。「でも、10年前は今の自分なんて読めなかったので、変わっていくこともあるかもしれません」。17歳で女流名人になった天才少女は3月、28歳になる。奨励会挑戦と退会、史上初の女流6冠達成と連続失冠。元号は平成から令和へ。激動の時代を歩みながら、ずっと「女流名人」の4文字だけは守り続けている。(北野 新太)

11連覇を達成し、金メダルを11枚首にかけ、指で「11」と示す里見香奈女流名人(カメラ・谷口 健二)
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