21世紀最強レッドソックスはどこへいく

1月に行われたレッドソックスのファンフェスタ(AP)
1月に行われたレッドソックスのファンフェスタ(AP)

 キャンプイン直前に発表された、前田健太も絡む5選手の大型三角トレード。前田を獲得する見返りとしてツインズからレッドソックスに移籍するはずだった期待の若手投手ブラスター・グラテロルのメディカルチェックで問題が発覚したものの、グラテロルがドジャース行きとなるトレード再編したことによって、ようやくまとまった。

 トレードの主役ムーキー・ベッツ外野手とデービッド・プライス投手は当初の予定通りにドジャースへの移籍となるが、一ついえることは21世紀に入って最多4度のワールドシリーズ制覇を果たしているレッドソックスの弱体化が一層懸念されることになることだ。

 始まりは昨年9月、オーナーのジョン・ヘンリーが「2020年の選手総年俸を2億800万ドル(約230億円)の贅沢税ライン内にとどめる」と宣言したことだ。そのためには約3000万ドル(約33億円)を削減する必要がある。ヘンリー・オーナーは編成責任者のデーブ・ドンブロスキーを解任、低予算でも結果を出すなどレイズのフロント中枢で辣腕を振るっていたハイム・ブルームをGMに抜擢して本格的なコストカットに取り組んできた。

 その中で最も合理的な方法として今季終了後にFAとなるベッツ放出に向けて動き、それはオフの間中ずっとまことしやかな噂として流れていた。しかし、交渉は不調に終わり、1月に入って年俸調停を回避して年俸2700万ドル(約30億円)で契約を完了していた。

 レッドソックスはこのオフ、サイン盗み疑惑でアレックス・コーラ監督を解任。MLBからの処分を待つ身となり、新監督が内定しているにもかかわらず処分が下るまで正式発表を控えている。

 大物2人のコストカット目的のトレードが運よく成立、いずれにしても年俸の低い若手を獲得することになるのだから短期的な大幅戦力低下は避けられそうもない。チームはリビルト(再建)まではいかなくてもリフォーム(改造)という位置づけとなり、とても優勝争いは望めない。

 もし、まとまらず2人とも残留となっていたらわだかまりは残っていたはず。ましてや、プライスは物事をはっきり口にするタイプ。またベッツは一昨年、契約延長交渉で10年3億ドル(約330億円)のオファーを拒否したとの球団リークといわれる情報を流されたという苦い思いをしている。両者とも球団との亀裂はさらに深まるだろうし、クラブハウスもまとまるとは思えなかった。

 キャンプ目前のこの時期、21世紀最強チームはどこへいくのだろうか。

 出村 義和(スポーツジャーナリスト)

出村 義和
 (でむら・よしかず)1971年、ドジャースタジアムでMLB初観戦。ベースボールマガジン社でアメリカ総局勤務、週刊ベースボール編集長などを務める。独立後、ニューヨークをフランチャイズに19年間MLBを中心に多岐にわたるジャンルで取材、執筆を行う。帰国後、JスポーツでMLB中継の解説者も務める。

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