13歳・玉井が圧倒的1位で男子最年少五輪へ王手…4月W杯18位以内で決定

辰巳コーチ(左)からの祝福に笑顔を見せる玉井(カメラ・竜田 卓)
辰巳コーチ(左)からの祝福に笑顔を見せる玉井(カメラ・竜田 卓)
男子高飛び込みで優勝した玉井の「307C」の演技(合成写真=カメラ・竜田 卓)
男子高飛び込みで優勝した玉井の「307C」の演技(合成写真=カメラ・竜田 卓)

◆飛び込み 国際大会派遣選手選考会 最終日(9日、東京・辰巳国際水泳場)

 男子高飛び込みで13歳の玉井陸斗(JSS宝塚)が458・05点で1位となった。東京五輪の世界最終選考会を兼ねたW杯東京大会(4月21~26日)出場を確実にした。13歳10か月での男子史上最年少の五輪出場に大きく前進。女子板飛び込みは既に五輪代表に内定している三上紗也可(19)=米子DC=が制した。3世代での五輪出場を目指した金戸凜(16)は4位。同9位の姉・華(21)、男子高飛び込みの兄・快(18)=いずれもセントラルスポーツ=は11位に終わり、東京五輪出場の可能性がほぼ消滅した。

 末恐ろしい13歳だ。落ち着き払った試技で、玉井が東京五輪の道を切り開いた。最終6本目は得意とする5255B(後ろ宙返り2回半と2回半ひねりエビ型)で自ら「100点満点」と入水時に水しぶきをほとんど上げないノースプラッシュの飛び込みを披露。91・80点の高得点をたたき出し、優勝を確定させると「五輪につながるW杯を決められてうれしい」。ガッツポーズで喜びを爆発させた。

 2位以下に20点以上の大差をつける圧勝劇。それでも序盤は「ヒヤヒヤだった」と振り返った。2本目で自ら「苦手」と公言する207Cでは、同じ会場で行われていた競泳記録会のスタートの音を気にしすぎて、自らのタイミングで飛び込めずに入水を乱した。大舞台でのミスで一時は5位まで順位を落としたが、気持ちの切り替えも13歳らしからぬ「失敗したことは忘れる」とすぐに次の演技に集中。ミスができないプレッシャーを乗り越え、残り4回は高得点を連発した。

 4月のW杯で18位以内に入り、五輪切符をつかめば13年10か月と男子では史上最年少出場を決めることになる。その鍵は安定感だ。昨年、初出場初優勝した全日本室内選手権で披露した109C(前宙返り4回半抱え型)など大技も持っているが、馬淵崇英コーチ(56)は「まずは五輪出場を決めること。(大技よりも)安定した演技で高い得点を取る方が大事になる」という。

 五輪の記憶は4年前のリオデジャネイロ大会だけという玉井だが、「五輪は世界のトップの世界一をかけて技を披露する場。僕自身、年齢は一番下だけど、堂々と試合に臨みたい」。年齢離れした強い精神力と美しい演技で、五輪切符を一気につかむ。(遠藤 洋之)

 ◆飛び込みの東京五輪への道 昨年の世界選手権、アジアカップを終え、男子の寺内健(男子シンクロ板、個人板)、坂井丞(同シンクロ板)、荒井祭里(女子個人高)、三上紗也可(同板)の4選手が内定。4月のW杯では各個人種目2人は準決勝(18位以内)に入れば出場が決まる。代表枠「1」のシンクロ高飛び込みでは派遣選考会で優勝したペアの、W杯成績を総合的に判断して決定する。

 ◆玉井 陸斗(たまい・りくと)2006年9月11日、兵庫・宝塚市生まれ。13歳。3歳から水泳を始め、小学1年の時に1964年東京五輪飛び込み代表の馬淵かの子コーチの誘いで競技に取り組む。小学5年からは日本代表の馬淵崇英ヘッドコーチに指導を受ける。19年4月の日本室内選手権でシニアデビューし、12歳7か月10日で史上最年少優勝。147センチ、41キロ。好きな食べ物は牛タン。好きな女性タレントは広瀬すず、西野七瀬。

 ◆日本人の最年少五輪代表

 ▽夏季 競泳の竹本ゆかりが13歳6か月で68年メキシコ市大会に出場し、女子100メートル平泳ぎで予選敗退。女子平泳ぎの長崎宏子は11歳0か月で80年モスクワ大会代表に選ばれたが、日本が選手派遣を中止で幻となった。男子では32年ロサンゼルス大会の競泳1500メートル自由形に14歳10か月で出場し、金メダルも獲得した北村久寿雄(くすお)が最年少。

 ▽冬季 フィギュアスケート女子の稲田悦子が12歳0か月で36年ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)大会に出場し、10位だった。

辰巳コーチ(左)からの祝福に笑顔を見せる玉井(カメラ・竜田 卓)
男子高飛び込みで優勝した玉井の「307C」の演技(合成写真=カメラ・竜田 卓)
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