【無良崇人の目】羽生の絶対的な自信、五輪のイメージそのまま残る素晴らしいプログラム

スポーツ報知
表彰式に登場し、「SEIMEI」のポーズを決める羽生(カメラ・矢口 亨)

◆フィギュアスケート 四大陸選手権最終日(9日、ソウル)

 四大陸選手権で初優勝を飾った羽生結弦(25)=ANA=の男子フリーを2014年四大陸選手権王者の無良崇人さんが解説し、3月の世界選手権への展望を語った。男子ショートプログラム(SP)5位発進でシニアの国際大会デビューとなった冬季ユース五輪覇者の鍵山優真(16)=星槎国際高横浜=は、フリーを179・00点、合計270・61点で3位と健闘。友野一希(21)=同大=が251・05点で7位だった。

 平昌五輪から30秒短くなるなどルールの変更もあり、生まれ変わった「SEIMEI」を初披露。ジャンプでミスはあったものの、羽生選手が金メダルを獲得した五輪のイメージがそのまま残る素晴らしいプログラムでした。

 着氷が乱れてしまった4回転ルッツは少し力みが見られ、転倒の4回転トウループはスピードが少し足りなかったように見えましたが、初の実戦だったこともあり、全く気にすることはありません。「SEIMEI」の印象的な演技終盤のコレオシークエンスの部分では笑みも見られました。このプログラムには絶対的な自信があり、曲が羽生選手の体を引っ張ってくれるような、曲が背中を押してくれるような感覚をつかんでいると思います。この感覚は選手にとって大きな強みになってきます。実戦での手応えをつかむことができたと思うので、3月の世界選手権ではさらに完成度を磨いてくるでしょう。

 世界選手権では、昨年12月のGPファイナル以来となるチェン選手との直接対決。構成に関しては、今大会の内容のまま質を高めてくるか、4回転ループを入れてさらに高難度プログラムに仕上げてくるかが、注目ポイントです。

 ただ、今大会から変更したSP「バラード第1番」、フリー「SEIMEI」は心の底から「この曲を表現したい」という羽生選手の思いが強く感じられるプログラム。この気持ちとジャンプがうまくかみ合えば、世界選手権は間違いなく、ハイレベルな戦いになるでしょう。(14年四大陸選手権優勝)

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