【有森裕子の本音】五輪イヤー、選手はアピールを!

有森裕子
有森裕子

 先週は東京五輪のラスト1枠を争う大阪国際女子マラソンが行われ、松田瑞生選手が2時間21分47秒の好タイムで優勝。代表に一歩近付きました。彼女の健闘は素直にたたえたいと思いますが、全体としては、気になった点もありました。

 それは日本人2位(全体では7位)が、市民ランナーの山口遥選手だったことです。昨年11月の神戸マラソンでも優勝している彼女は2時間26分台のタイムではありましたが、自己ベストを更新。今、自分ができる最高の走りをしたと思います。その一方で、実業団に所属する選手はふがいないレースに終わりました。

 今回の大会は気候条件も良く、ペースメーカーがハイペースで引っ張ったことで、記録を出すには絶好の条件がそろっていました。でも、松田選手以外は結果を残せず。せっかくのチャンスをモノにできなかったというのは、女子マラソン界全体からみれば、危機感を持たざるを得ません。

 今年は五輪の開催年、しかも東京での開催ということで、見る側の目は最上位争いに向いてしまう面はあるでしょう。ただ、この時期だからこそ「東京五輪を目指す選手と争って実力をアップさせ、次の世代では自分が中心になる」という気持ちで大会に臨み、結果を出さなければいけないとも思うのです。これは、マラソンだけでなく、今後代表選考の大会が開かれる他の競技でも同じでしょう。

 MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)で優勝した前田穂南選手は、3年前のこの大会で育成枠「ネクストヒロイン」としてマラソン初挑戦。そこから今回、代表の座をつかみました。3月には“ラストチャンス”となる名古屋ウィメンズマラソンが行われますが、東京五輪を目指す選手はもちろん、出場者それぞれが各自の「目標」を定め、走ってほしいですね。(女子マラソン五輪メダリスト)

社会

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