使用した選手がマラソンや駅伝で好記録を連発しているナイキの厚底シューズを巡り、規制の是非を議論してきたワールドアスレチックス(世界陸連)は1月31日、靴底の厚さは4センチ以下、反発力を生む埋め込みのプレートは1枚までとする、などの新ルールを発表した。現在、3万250円(消費税込み)で流通している現行モデルの「ズームXヴェイパーフライネクスト%」は条件を満たし、東京五輪や代表選考レースで着用できる。4月30日以降は大会の4か月以上前に市販されていることが条件で、店舗やインターネットで購入できないシューズはは特注品として禁じる。男子マラソンの世界記録保持者エリウド・キプチョゲ(35)=ケニア=昨年10月に記録非公認ながら史上初めて2時間を切った未発売の新モデル「超厚底」はプレートが3枚入っているとされ、使用できない。
ナイキの厚底シューズを使用する福田穣(29)=西鉄=は1日、この問題について言及。福田はレースの度に新しい「ズームXヴェイパーフライネクスト%」を使用。レースで一度履いたシューズは練習用に回し、練習でも使い古したシューズは普段履きしているという。この日、別府大分毎日マラソン(2日)に向けた前日会見にも右足は黄緑、左足はピンクの「ズームXヴェイパーフライネクスト%」で登場した。厚底シューズを知り尽くしている男は「履いたら速くなる、そういうものではありません。記録を出している選手はみんな練習をしているんです」と力説した。
日本マラソン界でトップクラスの豊富な練習量を誇る福田は、年間に走り込む距離は愛車の走行距離より多いという。厚底シューズがクローズアップされる中「走るのは選手」という考えを強調した。
別大マラソンに向けては「まだマラソンで優勝したことがないので勝ちきりたい」と意欲的に話した。