元日本代表MF細貝萌インタビュー後編 タイ2年目はバンコクUに移籍、クラブ最年長34歳の今季は「タイトルを取る」

タイ1部バンコクユナイテッドFCの元日本代表MF細貝萌
タイ1部バンコクユナイテッドFCの元日本代表MF細貝萌

 今オフ、バンコクUに期限付き移籍を決断した。

 「今年でブリラムとの2年契約が切れるんです。移籍に関しては、バンコクUが自分を必要としてくれたことが大きいです。レンタルなので契約内容は全く変わらず、環境や住む場所が変わるだけ。ブリラムはかなりの田舎町でしたから、バンコクの大都会に行くのはだいぶ変化がある」

 チーム最年長、今年で34歳の外国人選手として新加入した。

 「今までのサッカー人生で、チームで一番年上は初めて。例えば日本のチームが最年長になる外国人選手を獲得するなんて、まず考えられない。それだけ、クラブの思いを感じた。アジア枠がある中で、最年長で自分を獲ってくれたのは感謝しかない。頑張らなきゃいけないと思った。実は、チーム内で完全移籍の新加入選手は僕だけ。今年の結果がよければ、自分がチームに貢献できた証拠になる。やることは明確になった」

 タイで1年間プレーしたが、タイ語は「全然できない」と苦笑いを浮かべる。

 「数字も1~10まで言えない。コミュニケーションはほとんど英語。僕が日本からドイツに移籍した時は、世界トップクラスのブンデスリーガで『おまえらがドイツ語を勉強しろ』という空気だった。でも、タイは逆に外国人が「おまえらも英語をしゃべれるようになれ」という感覚。バンコクUのコーチも7年くらいタイにいるけど、タイ語は全く分からないみたい(笑い)。このチームは外国人選手が主力なので、ピッチの会話は英語。タイ語より英語のスキルを上げていかないといけないね」

 夫人、3歳の長女との海外生活にも慣れた。

 「ドイツ、トルコ、タイと生活してきて、嫁さんも海外への適応能力は高いですね。調理師免許を持っているので、助かってます。家ではしっかり和食を作ってくれるし、本当に助かっています。ブリラムは田舎町だったけど、バンコクは日本企業のお店も多くて何も困ることはないです」

 昨年から前日本代表監督の西野氏がタイ代表を指揮。タイ代表MFチャナティップ(札幌)、DFティーラトン(横浜M)らのJリーグでの活躍で、タイが身近な存在となっている。

 「西野さんがタイに来てくれたことで、僕としても日本人の株が上がってうれしいですね。西野さんが監督をやっていることで、タイ代表の情報が日本に届く。チャナティップやティーラトンが有名だけど、U―23タイ代表にも17歳のスパナットとかすごく楽しみな選手は多い。タイの選手の技術はどんどん上がってると思う。能力がある選手はちゃんと英語を勉強してて、海外に意識が向いている。日本や海外へ移籍する選手も増えてくると思う」

 プロ16年目。今年で34歳を迎える細貝の今季の目標は。

 「去年は体調不良で出遅れたので、今年は健康で充実した年にしたい。年齢も年齢なので、ケガには十分気をつけて自分をトリートメントしたい。コンスタントに試合に出て、必ずタイトルを獲りたい」

 プレー以外でも、自身の将来を見据えている。

 「サッカーができるのがあと数年と考えると、将来を考えないといけない。タイの練習は気温もあって夕方なので、朝~昼間の時間を有効に使いたい。本を読むとか何でもいい。まだ自分に何がやれるか分からない。昔は小学校の文集に指導者になりたいと書いてたけど、今は監督になりたいとも思ってない。サッカーを続けながら、いろんな世界を見たいですね」

(聞き手・星野 浩司)

 ◆細貝 萌(ほそがい・はじめ)1986年6月10日、群馬県生まれ。33歳。前橋育英高から2005年に浦和入り。11年からレバークーゼン、アウクスブルク、ヘルタ、ブルサスポル、シュツットガルトと欧州で活躍し、17年に柏へ加入。19年からタイ・ブリラムでプレーし、今季からバンコクUに期限付き移籍。08年北京五輪代表。10年、日本代表に初選出され、国際Aマッチ30試合1得点。家族は妻でタレントの中村明花、1女。176センチ、68キロ。

サッカー

NEWS読売・報知 モバイルGIANTS ショップ報知 マガジン報知 個人向け写真販売 ボーイズリーグ写真販売 法人向け紙面・写真使用申請