【HAKONE LIFE】スタート最下位からの区間賞…創価大1区・米満怜が覆した“定説”

ガッツポーズで中継所に向かう米満
ガッツポーズで中継所に向かう米満

◆第96回箱根駅伝1区区間賞 米満怜(創価大4年)

 箱根駅伝1区をスタートして約50メートル。「トップで左折した選手が区間賞を取る」説がある。積極的な姿勢が、その根拠とされており、実際2010~19年の10大会のうち6回、その説は当てはまる。しかし、今回、1時間1分13秒の歴代2位の好記録で創価大初の区間賞を獲得した米満は、まるで逆。最下位で左折した。

 米満のスタートは異彩を放っていた。号砲直前、他の20選手が緊張感を漂わせ、腰をかがめて構える中、悠然と立っていた。号砲が鳴った後も猛然と走り出すライバルより約1秒遅れでスタートした。「21・3キロもあるのでスタートで力を使ってもしようがないので」とレース同様に冷静に振り返った。

  • スタート後、最下位で日比谷通りへ左折した創価大・米満(左端)

    スタート後、最下位で日比谷通りへ左折した創価大・米満(左端)

 転倒、あるいは転倒に巻き込まれる、というリスクを徹底的に排除したスロースタート。「大牟田高(福岡)時代、スタートで転んで痛い目に遭ったことが何度もある。その苦い経験を糧に大学入学後、力を使わないスタートをするようになりました」と明かす。

貫ける度胸 確固たる狙いがあるが、大一番でも貫ける度胸が米満の強さだ。もし、最初に集団から遅れたら…。「ネガティブなことは全く考えなかった。でも、レース後、多くの人に『あの、やる気のなさそうなスタートは何だったんだ?』と言われました」と笑顔で話した。

 米満の快走で流れに乗った創価大は9位と躍進し、初のシード権を獲得した。大きな置き土産を残し、今春から実業団の強豪コニカミノルタに進む。「24年パリ五輪にはトラックで出場を狙います。その後はマラソンにも挑戦したい」。100周年の箱根駅伝で“定説”を覆した男は、自分が信じる道を走り続ける。(竹内 達朗)

 ◆米満 怜(よねみつ・れん)1998年2月27日、福岡・宇美町生まれ。21歳。大牟田高入学と同時に陸上を始める。2016年、創価大文学部入学。箱根駅伝は1年8区3位。今回、1区4位の東海大・鬼塚翔太は大牟田高時代の同期生。「絶対に勝ちたかった」。1万メートルの自己ベストは28分30秒59。175センチ、58キロ。

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スタート後、最下位で日比谷通りへ左折した創価大・米満(左端)
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