「サイバーエージェント」藤田社長、プロレスリング・ノア買収を発表「グループとしてプロレスの発展を期待」…新社長はDDTの高木三四郎、副社長に丸藤正道

スポーツ報知
会見した(前列左から)丸藤、武田氏、高木、藤田晋社長

 インターネットサービス大手「サイバーエージェント」の藤田晋社長(47)は29日、都内で会見し、プロレスリング・ノアを運営する「ノア・グローバルエンタテインメント」の株式を100%取得したことを発表した。

 ノアは「サイバーエージェント」の完全子会社となり会社の体制は維持されるが、社長は新たにDDTの社長を務める高木三四郎(50)が就任する。副社長に丸藤正道(40)が就いた。現在「ノア」社長の武田有弘氏(48)は執行役員として運営に携わる。

 2000年8月に旗揚げしたノアは、16年11月にITシステム開発会社「エストビー」に事業譲渡された。さらに昨年2月には広告代理店「リデットエンターテインメント」が筆頭株主となったが経営が安定しない状況が続いていた。一方でサイバーエージェントは、2017年9月に「DDT」を傘下に入れ、インターネットテレビ局「AbemaTV」を通じた試合中継などで成長に取り組んできた。こうした両団体の背景からこのほど、DDTの高木社長を通じサイバーエージェントがノアの経営安定、団体成長を目的に交渉を開始し、サイバーエージェントの藤田社長が株式取得を決断しノアがサイバーエージェントの傘下に入ることで合意した。

 現在、プロレス界はカードゲーム販売大手の「ブシロード」が新日本プロレス、女子プロレス「スターダム」、キックボクシングイベント「KNOCK OUT」を傘下に収め業績を伸ばしている。今回、DDTに続きノアも「サイバーエージェント」の傘下に入ったことでプロレス業界の再編が加速することになる。

 会見には藤田社長、高木新社長、丸藤副社長、武田執行役員、さらにGHCヘビー級王者・潮崎豪(38)、GHCナショナル王者・杉浦貴(49)、GHCジュニアヘビー級王者・小川良成(53)、中嶋勝彦(31)、清宮海斗(23)の所属レスラーが出席した。武田氏は「引き続き現場は私が中心になり引き続き運営してまいります」と説明した。「武道館再進出や東京ドーム再進出のチャンスですが、より数字に向き合っていかなければならない」と引き締めていた。

 新社長に就任する高木は「DDTとノアは同じグループ企業として共存共栄していく」とした上で「DDTとの社長兼務になりますが私はあくまで企業経営に専念しリング上には一切タッチせず、リング上はこれまで通り丸藤副社長、武田執行役員にお任せします」と明かしていた。両団体の交流は「現場サイドに任せたい」とし、将来的な統合は「今の段階では考えていません。ただ、共有できる部分は大いにある。資産も共有してやっていければいい」などと説明した。業界1位を「目指していかないと面白くない。もっともっと多くの人に見てもらいたい」と掲げていた。新副社長の丸藤は「ノアは、これまで以上に大きな舞台に出ていく用意ができました」と話していた。

 今回の株式取得に至った理由を藤田社長は「プロレスのコンテンツとしての魅力、可能性を強く期待している」とし「ノアを研究しているうちにDDTと補完関係にある。DDTと相乗効果がある」などと明かし、さらに、高木社長の経営手腕を評価し「グループとしてプロレスのさらなる発展を期待していきたい」と述べた。

 この日の会見は「AbemaTV」で午後6時から生中継した。「AbemaTV」でも今後、試合の生中継が決定し第一弾が2・16後楽園ホール大会となる。さらに11月21日にDDT、11月22日にノアが両国国技館でビッグマッチを行うことが決定し新たなメディア展開が期待される。

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