「ダメ大関」記事に「大丈夫っすよ」…元担当記者が見た豪栄道

2016年9月、秋場所で初優勝を全勝で果たし、賜杯を手にする豪栄道
2016年9月、秋場所で初優勝を全勝で果たし、賜杯を手にする豪栄道
16年9月25日付本紙
16年9月25日付本紙

 豪栄道の言葉に救われたことがある。16年秋場所。自身の初優勝を1面で取り上げた各紙を気分良く眺めていた大関の背中を、私はビクビクしながら見ていた。「あ、報知にダメ大関って書いてありますよ」。案の定、本紙の大きな見出しに周りが反応した。

 けがに苦しみ結果が出ない姿をダメ大関と揶揄(やゆ)された―。というくだりだったが、快挙に水を差す言葉だったことは否めない。優勝力士を不機嫌にさせてしまう失態に頭が真っ暗になったが、次の瞬間「大丈夫っすよ」と笑顔で許してくれた。

 「面白く書かれるからしゃべらん」と、取組後の取材でもあまり単語を並べない。こわもてな印象が強かったが、時折気さくな一面をのぞかせることが魅力だった。私がかつて勤務した仙台での巡業中。肉好きの大関へ、得意げにお薦めの焼き肉店を紹介すると「知ってますよ。ニラで牛タンを巻く店でしょ。でも盛岡にはもっとおいしい店がありますよ。情報不足ですね」と切り返されたこともある。

 先輩大関の二子山親方(元雅山)に「大関ってどんな地位ですか」と常々、相談していたという。潔く土俵を去るのは、満身創痍(そうい)の体と無関係ではないだろう。満足な相撲が取れなければ大関の名を汚すことになる。まだ早いとは思うが、決断を尊重したい。(2016年~18年、相撲担当・網野 大一郎)

2016年9月、秋場所で初優勝を全勝で果たし、賜杯を手にする豪栄道
16年9月25日付本紙
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