相撲発祥の地・奈良に98年ぶりV力士…徳勝龍の父・青木順次さん「格上の大関相手によう頑張った」

祝勝会で母・青木えみ子さんと笑顔で握手をする徳勝龍
祝勝会で母・青木えみ子さんと笑顔で握手をする徳勝龍

◆大相撲初場所15日目 〇徳勝龍(寄り切り)貴景勝●(26日・両国国技館)

 息子の雄姿に、あふれる涙を拭った。徳勝龍の地元・奈良市役所でのパブリックビューイングで父・青木順次さん(73)は「感無量ですわ。真っ向勝負、格上の大関相手によう頑張った」と喜んだ。約200人が詰めかけ、相撲発祥の地に誕生した98年ぶりの優勝力士に熱狂した。

 徳勝龍は体重3860グラムで生まれ、6か月で10キロにまで成長。3歳の頃から柔道、小学2年から野球も掛け持ちし「4番捕手」を担った。小学4年から「けはや道場」で相撲を始めた。小学5年からは実力を買われ、中学生と一緒に汗を流した。中学2年から通った大阪・岸和田市の「右門道場」には週3回、父が1時間半かけて送迎。帰りの車の中で、隠れて泣いている姿も見た当時を思い浮かべ「今一番、それが報われた」と感慨に浸った。

 支度部屋ではあまり表情を変えない徳勝龍だが、母・えみ子さん(56)は「幼い頃から人を笑わせたり、明るくて目立つひょうきんなタイプ」と明かした。中学校の文化祭では友人とコンビを組んで漫才をしていたという。母は毎場所前に桜井市の相撲神社に参拝し「けがをしないように」と祈っている。

 初場所前に電話で「次は大阪場所だから、勝ち越して地元に帰ってきな」と伝えた。当初は応援予定はなかったが、予想外のV争いに千秋楽は国技館に駆けつけた。近大・伊東勝人監督の遺影を手に優勝を見届けると「よう頑張ったねって伝えたい。えらいことなんやなあって」と感極まった。

 優勝して迎える3月はご当地場所。「徳勝龍を育てる会」の石津宏一会長は「(木瀬)部屋と知事、市長と交渉する」とVパレードの開催プランを明かした。優勝力士になると「1%も思っていなかった」と母も驚く歴史的な偉業。故郷は凱旋を心待ちにしている。(竹内 夏紀)

 ◆相撲の発祥 日本書紀に垂仁(すいにん)7年7月7日に奈良県桜井市相撲神社内で、野見宿禰(のみのすくね)・當麻蹶速(たいまのけはや)の天覧相撲が行われたと記されており、奈良県が相撲発祥の地とされている。當麻蹶速は現在の奈良・葛城市當麻に住んでいたとされる。

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