桐生祥秀、東京五輪で88年ぶりの100M決勝進出「自信ある」

東京五輪へ向け、意気込みを語った桐生祥秀(カメラ・池内 雅彦)
東京五輪へ向け、意気込みを語った桐生祥秀(カメラ・池内 雅彦)
昨年の世界陸上で男子100メートル予選に出場した桐生(中)
昨年の世界陸上で男子100メートル予選に出場した桐生(中)
東京五輪男子100で決勝進出が期待される選手
東京五輪男子100で決勝進出が期待される選手

 東京五輪の開幕まで、24日であと半年になった。タレントがそろう陸上男子100メートル勢は、1932年ロサンゼルス五輪6位の吉岡隆徳氏以来88年ぶり2人目の決勝進出が期待される。2017年9月に日本初の9秒台(9秒98)をマークした桐生祥秀(24)=日本生命=が、このほどスポーツ報知の単独インタビューに応じ、本大会への自信や、実質的なプロ選手としての活動の中で芽生えた考え方を明かした。(取材・構成=細野 友司)

 桐生が初出場し、400メートルリレー銀メダルに輝いたリオ五輪からの3年半はあっという間に過ぎ去った。17年9月に初めて10秒の壁も破り、短距離界を取り巻く環境の変化を、誰よりも感じてきた。

 「リオのリレーで、いろいろ日本陸上界も変わったと思うんですよね。認知度とか注目度であったり。9秒台を出して、桐生祥秀という名前も出せた。(3年半は)早かったですね。ここから(半年間)もきっと早くて、ゆっくり考える頃には、もう東京(五輪)だって終わっていると思う」

 昨秋のドーハ世界陸上は、準決勝で10秒16の3組6着。タイム順上位での決勝ラインまでは0秒05差の惜敗だった。シーズンでは10秒0台も7度記録。着実なベースアップを実感した。

 「(世陸は)最後の2~3歩で(前に)行かれた感じがした。中盤の持ち味で、あと1メートルでも先に行っていれば決勝にも残れていたかもしれない。アベレージは上がったけど、あともう一段階欲しい。10秒0台は7回出したけど、あと20センチ速くなるだけで、9秒台が7回出ていたかもしれない。こういうたくさんの『かもしれない』を潰せるように、冬季は練習しています」

 東洋大卒業後の18年春から日本生命と契約し、実質的なプロ選手として活動する。今年の元日には、一般女性との結婚も公表した。考え方や責任感を深め、人生の先まで見つめるようになった。

 「プロになって『陸上でご飯を食べていく』という発想になって、お金にはシビアになりました。仕事なので。今は家とかが欲しいですけど、結果を残せば買えなくもないですよね。もっとお金があれば、投資用の(物件)もあっていいし、そういう将来的なことも考えるようになりました。もちろん細かいお金も大事ですけど、それで満足しないようなものが欲しくなったというのはありますね」

 さらなる活躍へ、成長は必須。19年6月に桐生の日本記録を9秒97に塗り替えたサニブラウン・ハキーム(米フロリダ大)ら、タレントぞろいで競い合える現状は最高の環境だと言える。

 「今は日本記録を持っていないから、出すしかないですよね。ファンの皆さんも、見ていて楽しいと思う。競馬でいえば(強いのが)1頭だけじゃない。そういうのも、陸上人気につながっていると思う。リレーで金メダルを取るためにも、個々の走力を上げていくしかないと思っています」

 今夏の東京五輪。88年前のロス五輪で“暁の超特急”と呼ばれた吉岡氏以来のファイナリスト入りは現実目標になっている。決勝進出がかなう走力を備えれば、400メートルリレーの頂点もぐっと近づく。

 「過信するわけじゃないけど、ちゃんとやれば行ける自信はあります。東京の準決勝では『(決勝に行けていた)かもしれない』と思わないレースをしたいですね。決勝に残ったら、そこから先の順位は分からない。そこから(残ってから)考えればいい、と思っています。リレーも、僕は3走で日本記録(37秒43)を持っている。自信を持って走りたいと思っています」

 ◆男子100メートルの東京五輪への道 国別の代表枠は最大3。6月の日本選手権(大阪)が最終選考会となり、参加標準記録(10秒05)を突破している選手が3位以内に入れば優先的に内定。日本勢はサニブラウン・ハキーム、桐生祥秀、小池祐貴の3選手が参加標準を突破済み。10秒0台の自己ベストを持つ山県亮太、多田修平、ケンブリッジ飛鳥らも来季の突破を目指しており、日本選手権決勝は一発勝負の大激戦になる公算が大きい。

 ◆吉岡 隆徳(よしおか・たかよし)1909年6月2日、島根県生まれ。32年ロス五輪で日本初の6位入賞を果たし「暁の超特急」と呼ばれた。五輪短距離種目の日本勢入賞はその後、92年バルセロナ大会400メートル8位の高野進氏まで現れなかった。現役引退後は教職などを経て、実業団のリッカーミシン監督に就任。64年東京五輪に向けて飯島秀雄を指導し、準決勝進出を支えた。84年5月5日、胃がんのため74歳で死去。

 ◆桐生 祥秀(きりゅう・よしひで)1995年12月15日、滋賀・彦根市生まれ。24歳。彦根南中1年で陸上を始め、京都・洛南高3年時の織田記念で当時の日本歴代2位となる10秒01をマーク。2014年に東洋大へ進み、土江寛裕コーチに師事。卒業後も指導を仰いでいる。100メートルの自己ベストは日本歴代2位の9秒98、200メートルは20秒39。家族は妻。176センチ、70キロ。

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