“プロレスの神様”カール・ゴッチが愛した「ちゃんこ」とは…新日本プロレス旗揚げメンバー北沢幹之さんが再現

北沢幹之さん
北沢幹之さん

 “プロレス界のレジェンド”藤波辰爾(66)が1月4日、新日本プロレスの東京ドーム大会に参戦した。獣神サンダー・ライガーの引退試合に出場し12年ぶりにかつて所属していたリングに上がった藤波は、田口隆祐、大谷晋二郎へ連続でドラゴンスクリューを繰り出し、4万人を超えるドームのファンを沸かせた。

 藤波は、1972年3月にアントニオ猪木が旗揚げした新日本の創設時のメンバーで78年1月23日にニューヨークのMSGでドラゴンスープレックスでホセ・エストラーダを破りWWWF(現WWE)ジュニア王座を奪取し一躍、スターダムに乗った。

 今回の新日本帰還を前に藤波を取材した時、ニューヨークでの成功は「ゴッチさんの指導がなかったらあり得なかった」と打ち明けられた。ゴッチさんとは、プロレスの神様とうたわれた故カール・ゴッチ氏。61年に日本プロレスで初来日したゴッチ氏は、その卓越したレスリング技術で日本人選手を指導、その教えに共鳴した猪木は新日本の旗揚げ戦でゴッチ氏と対戦。一方でコーチとしても招聘し野毛の道場で「ゴッチ教室」を開き、藤波をはじめ藤原喜明、佐山サトル、前田日明らを指導し猪木が掲げた「ストロングスタイル」の礎を築いた。

 藤波は、MSGでの試合の2か月前からフロリダ州タンパのゴッチ氏の自宅で徹底的に特訓を受けた。肉体を鍛える徹底した基礎練習に加え、この時にゴッチ氏からドラゴンスープレックス、ドラゴンスクリューにつながる着想を指導されたという。「ゴッチさんから、投げ技でこんなパターンがあるよとか、相手が蹴りにきた足をつかんで巻いて投げる方法もあるとイメージを教えられて、それを試合でそのまま出したんです」と明かした。そして「あの指導がなかったらMSGであの試合はできなかった」と今も感謝する。

 ゴッチ氏は、日本を愛し、誰よりも勤勉に練習する日本の選手が好きだった。だからこそ、団体の垣根を越えて自らに教えを請う選手には惜しげもなく自らの技術を伝授した。そして、2007年7月28日、82歳で天寿を全うした。

 ゴッチ氏のレスラーとしての姿、そしてコーチとしての指導を日本プロレス時代から間近で見てきたのが、力道山の弟子で新日本の創設メンバーでもある北沢幹之さん(77)だ。

 北沢さんはゴッチ氏の教えを「それまで、とにかくスクワット1000回とか根性論ばかりだった教え方じゃなく、すごく合理的で分かりやすい指導をしてくれた方でした」と振り返る。そしてゴッチ氏は、練習後に北沢さんが作る「ちゃんこ」が何よりも好物だったという。「私が作ったいわしのつみれちゃんこが好きで、よく作ってくれ、って注文されましたよ」と懐かしそうに目を細めた。

 昨年13回忌を迎えたゴッチ氏を偲び、北沢さんがゴッチ氏が愛したちゃんこを再現しファンに振る舞うことを決意し、1月26日に都内で行われることがこのほど決まった。企画したのは、2018年に発足した「日本プロレス史検証会」を主宰するプロレス・格闘技ライターの安田拡了氏(65)。会は、およそ2か月に1度、現役のレスラー、元レスラー、レフェリーなどを招き、プロレス史の事実を参加者がゲストへ質問し、史実をひとつひとつ丁寧に掘り下げていく内容となっている。入会金5000円で会員資格が得られ、特典はイベントの割引と毎月安田氏が過去にインタビューしたレスラー、関係者の証言が配信されることなどとなっている。会の趣旨を安田氏は「検証会は、昨今、流行っているトークショー、プロレス本でプロレスの誤った歴史が正しいかのように語られ、発表されている状況の中で正しいプロレス史を残したいという目的で発足しました」と明かす。

 参加希望と検証会への入会などの問い合わせは、「yasukaku60@gmail.com」まで。今回のイベントは、参加費5000円でゴッチ氏が愛したちゃんこを北沢さんが振る舞い、猪木が共鳴し藤波ら新日本のレジェンドを育てたゴッチ氏にまつわる正史を北沢さんが語り、参加者からのどんな質問にも答えるという。(記者コラム・福留 崇広)

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