楽天の藤平尚真投手(21)が、今季は米大リーグのドジャース・前田健太投手(31)とヤンキース・田中将大投手(31)の“いいとこ取りグラブ”を使用することがこのほど明らかになった。マエケンモデルをベースに、マー君と同様の改良を加えた特注品だ。プロ3年目の19年シーズンは3試合に登板して0勝1敗、防御率10・38だった藤平。“マエケン&マーグラブ”で、4年目の飛躍を狙う。
1月中旬、泉2軍練習場のブルペンで投球練習を行った藤平の左手には、真っさらな赤いグラブがはめられていた。「今までグラブにはこだわりはなかったけど、今回はこだわって作ってもらいました。すごくいいですね」。藤平は満面の笑みを浮かべた。
昨年までは、薬指と小指が同じ部分に入れるグラブを使用していた。ただ、さらなる成長を目指して新調を決断。様々なタイプから選んだのが、中指、薬指、小指を別々に入れる「前田モデル」のグラブだった。昨秋の倉敷キャンプで初めて使用し、その後も手にすることで、使いやすさを実感。この日までに20年シーズンも使うことを決めた。
基本は「前田モデル」と同じだが、メーカー側には、特別に注文を入れた。同モデルは中指、薬指、小指を入れる部分は指ごとに“独立”する形。ただ藤平は使いやすさを追求し、中指と薬指、さらに薬指と小指の間に「×」の形で2本の革ひもを通した。実はこれは、マー君が自身のグラブに施す工夫でもある。「前田さんと田中さんのいいとこどり? まさにそうですね」とうなずいた。
初詣に行き、引いたおみくじは「大吉」だったという。「今年はやれる気がします。1年間を通じて1軍で活躍できるようにしたい」と1年間、先発ローテを守っての活躍を誓った。使用するグラブと同様、エースと呼ばれる存在に成長して見せる。(高橋 宏磁)