陸上のマラソン長距離界を席巻する米スポーツ用品大手ナイキの「厚底シューズ」を世界陸連が新規則で禁じると英メディアが報じてから一夜明けた16日、日本の選手、指導者ら関係者にも波紋が広がった。東京五輪が半年後に迫る中、マラソン日本記録保持者の大迫傑(28)=ナイキ=は「さっさと決めて」とツイートするなど、早期の結論を求める声が続出した。
ナイキ厚底シューズは17年にデビューした第1モデル、18年の第2モデルを経て、第3モデルの「ズームXヴェイパーフライネクスト%」が19年に誕生。今回の箱根駅伝で出場10人全員が履いた東海大を指導する両角速監督(53)は「(第2モデルから第3モデルにかけて)飛躍的に進化した」と証言する。現在、3カラーが展開されている。
第4モデルがすでに完成済みとされる。マラソン世界記録(2時間1分39秒)保持者のキプチョゲ(35)=ケニア=が19年10月に非公認レースで1時間59分40秒を出した時に使用し、前足部にナイキ特徴のエアが内蔵された「超厚底シューズ」だ。ナイキ関係者は禁止報道が出る前、「このシューズを履くことができる選手は、現時点でキプチョゲだけ。次に東京五輪前に五輪ランナーだけに供給する。東京五輪が終わった後に五輪選手以外のエリートランナーに供給する予定」と明かしていた。