前田祐吉、石井連藏両氏の殿堂入りの裏で、問題多い特別表彰 プロの審判を再びエキスパートへ

記念撮影に納まる(左から)エキスパート表彰の田淵幸一氏、斉藤惇理事長、特別表彰を受けた故・前田祐吉さんの次男の前田大介氏、同表彰を受けた故・石井連蔵さんの長男の石井拓蔵氏(カメラ・竜田 卓)
記念撮影に納まる(左から)エキスパート表彰の田淵幸一氏、斉藤惇理事長、特別表彰を受けた故・前田祐吉さんの次男の前田大介氏、同表彰を受けた故・石井連蔵さんの長男の石井拓蔵氏(カメラ・竜田 卓)

 野球殿堂入りが14日に発表され、14人の投票で決まる特別表彰(当選必要得票11票以上)の投票結果は、慶大元監督の前田祐吉12票、早大元監督の石井連藏11票と両氏が当選。奇しくも1960年秋、早慶6連戦を指揮した2人が選出された。指揮者としての功績だけではなく前田はアジア野球連盟事務局長、石井は日米大学野球選手権大会開催に尽力している。

 プレーヤーやエキスパート表彰のように順次票を伸ばしていくケースではなく、昨年の3票から一気に票数を伸ばしたことには違和感があり、特別表彰選考委員に対するロビー活動が行われた感は否めない。実は最近10年間に限ると特別表彰当選の14人中、10人までがOB会の結束力が高い東京六大学関係者で占められている。もちろん各人の功績は高いにせよ突出しすぎと思うのは私だけだろうか。

 今回、2人以外の投票数はアトランタ五輪監督の川島勝司(中大出身)7票。プロ野球審判・谷村友一4票。漫画家・水島新司3票、作曲家・古関裕而2票、作家・佐山和夫2票、元東海大総長・松前重義1票、元駒大監督・太田誠0票、元嘉義農林監督・近藤兵太郎0票。

 個人的な感想を言わせてもらえば、選手、指揮官としての功績は太田誠の方が数段上。大学時代は2度の首位打者、電電公社(現NTT)では都市対抗で活躍。そして1971年に駒大監督に就任すると、通算35年間でリーグ戦501勝393敗19分け、優勝はリーグ戦22回、大学選手権5回、明治神宮大会4回の優勝。多くのプロ野球選手を輩出した。

 アマチュア球界の指導者から見れば、六大学で実績を残さなければ殿堂入りは無理なんだと思っているに違いない。その辺の柔軟さを特別表彰の選考委員には望みたい。

 そして、もう一つはプロ野球審判の扱いだ。池田豊、二出川延明、島秀之助、横沢三郎、筒井修と5氏いるが、1991年の筒井が最後。彼ら5審判は監督や選手も経験してきた方々。つまり生粋の2リーグ制以降の審判員の殿堂入りは一人もいない。ちなみに審判出場3500試合以上は次の4人。〈1〉岡田功3902、〈2〉富澤宏哉3775、〈3〉山本文男3564、〈4〉丸山 博3515(記録員では柳原基の3585のみ)。

 審判員は当初競技者表彰として選手、監督らと同じ扱いを受け、殿堂入り4審判もすべて競技者表彰された。2008年に競技者表彰がプレーヤーとエキスパートに分かれた際にもエキスパートだった。ところが選手重視のためか、翌年からは特別表彰に回ると、NPBがバックアップするでもなく、最も得票が多かった岡田功も5票(2度)が精一杯だった。密室の中での特別表彰から選手と扱いで再びエキスパートに戻すことを強く望みたい。

(蛭間 豊章=ベースボール・アナリスト)敬称略

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