サイン盗みアストロズに厳罰、監督とGMは職務停止1年で解任 ドラフトも2年間1、2巡目はく奪

スポーツ報知

 米大リーグ機構(MLB)に衝撃が走った。MLBは13日(日本時間14日)、2017、18年のサイン盗みに関与したとして、アストロズのA・J・ヒンチ監督(45)とJ・ルノーGM(53)を1年間の職務停止処分に科すと発表。それを受けて球団は2人を解任した。

 17年のワールドチャンピオンが、泥にまみれた。MLBがアストロズのサイン盗みに関して、ヒンチ監督とルノーGMに1年間の職務停止処分を下した。チームには今年と来年のアマチュアドラフト1巡目と2巡目の指名権を剥奪し、規定上最高額となる罰金500万ドル(約5億5000万円)の厳罰に処した。

 調査ではアストロズ68選手の証人との面談やメールのやりとりを検証。マンフレッド・コミッショナーは「選手がルールを順守するようにするのはGMと監督の役割だ」と指摘。これを受けて、アストロズのJ・クレーン・オーナーは「2人が始めたわけではないが、両者とも何もしなかった」として両者を直ちに解任した。

 ルノーGMはサイン盗みの事態を把握していなかったと主張。一方、ヒンチ監督も関わっていないとしていたが「(サイン盗みを)止めることができず、申し訳ない」と声明を出した。

 アストロズは、中堅スタンドに設置されたビデオカメラで相手捕手のサインをのぞき見し、球種に応じてベンチ内のゴミ箱を叩く回数で打者に伝達。野手の大半が関わっていたが、MLBはファンへの影響を重く見てか、選手には罰則を科さずに首脳陣に責任をとらせた。

 今後は選手以外でただ一人、主導的な役割を担ったとされる17年当時のベンチコーチだったA・コーラ氏(Rソックス監督)への処分が注目される。MLBはRソックスで疑惑が浮上しており、その調査結果が出てから決めるとしている。

 ◆17年のワールドシリーズ アストロズがドジャースに4勝3敗で初優勝。1番スプリンガーのシリーズタイ記録となる5発を含め、チーム新記録の15本塁打(ドジャースは10本)を浴びせ打ち勝った。

 ◆ダルビッシュが皮肉ツイート

 カブスのダルビッシュ投手は、アストロズのサイン盗みが断定されたことを受け、もしも優勝剥奪でドジャースが世界一になったと仮定し、自身のツイッターに英語で「もしドジャースが2017年のワールドシリーズ・パレードをやるなら、ぜひ参加したい」とつづった。ドジャースの一員だった17年のシリーズで2度先発し、ともに1回2/3でKOされ負け投手。サイン盗みの疑惑が取りざたされ始めた昨年11月には動画サイト「ユーチューブ」で「残念な問題」と思いを口にしていた。

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