新海誠監督が主人公やヒロインに親がいない設定にする2つの理由

報知映画賞のアニメ作品賞を受賞した新海誠監督
報知映画賞のアニメ作品賞を受賞した新海誠監督

 2019年の報知映画賞では、アニメ作品賞に「天気の子」が選ばれた。同作を手がけた新海誠監督(46)、実は4作連続で「主人公やヒロインの親がいない」、もしくは「片親」という設定を取っている。2011年の「星を追う子ども」、「言の葉の庭」(13年)では主人公の父親がおらず、「君の名は。」(16年)の主人公には母親がいない。「天気の子」(19年)ではヒロインの両親がいない。

 その理由を監督本人に直接聞いてみた。新海監督によると、この設定には「2つの理由がある」のだという。

 「そもそも日本のサブカルチャーの中で、片親設定はポピュラー。両親って思春期の自分の内部を描くに当たっては邪魔になるんです。だからテクニックとしてあえて描かないことがあります」。

 技術的な理由とは別に、「メッセージ的な部分もある」と話す。「親がいないとか、片方しかいないというのは必ずしも珍しいことではない。(親が)欠けている状態であると(あえて作品の中で)描きたくないというのもあります」

 現代では家族形態も多様化し、「両親が当たり前にいる家庭」という固定概念化された家族像が崩れてきている。だからこそ、「両親がそろっているのが健全なのかも自明ではない。親がいないからって自分のコンプレックスとして感じて欲しくないと思っています」。

 「天気の子」の主人公・森嶋帆高は家出をして上京してくるが、同作では家出の理由も、家庭の状況も一切描かれていない。ヒロインの天野陽菜には両親がいないが、その事情は作品内でほとんど触れられていない。「現代の物語、少年少女の気持ちが未来に向かっている物語にしたかった」と思いをにじませた。

 「(両親や家庭などに)フォーカスを当てることはしたくない。彼らは未来のことが気になって仕方なくて、今知り合った大切な誰かのことが気になって仕方なくて、先しか見てなくて、そのまま違う世界に行ってしまう物語にしたかった。現実でも若い人には前を向いていて欲しいです」

 日本や世界の動きにアンテナを張り、向きあっている新海監督。主人公やヒロインに対して、次回作はどのような要素を盛り込むのか。今から予想するのも一興かもしれない。(記者コラム)

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