J2モンテディオ山形の石丸清隆新監督(46)が9日、天童市内で就任会見に臨み、J1昇格へ〈1〉練習、〈2〉堅守、〈3〉得点面での“3大意識改革”を打ち出した。クラブでは08年の小林伸二、14年石崎信弘両監督以来となる就任1年目での昇格を目指す。
熱い口調で所信表明した。石丸監督は「(契約が)2年あるからゆっくりやっていくということはない。今年から勝負したい。やります!」と、クラブ監督史上3人目となる就任年での昇格を目標に掲げた。
昨季6位に甘んじたチームの再建へ、改革に打って出る。まずは「楽しさ」を求めて環境整備に着手する。「選手たちが楽しまなければ、見ている人も楽しくない。選手たちが楽しく生き生きしたプレーができる状況を練習から作っていきたい」。大阪府出身の関西人らしく、時にはユーモアを交えてチームを盛り立てる。
守備面ではクラブの伝統「堅守」に磨きをかける。「ゴールに近いところで守るのではなく、前からプレッシャーをかけに行くことだったり、相手コートで押し込むのが理想。失点数を減らしていけば昇格ラインは上がることは間違いない」と力説。昨季42試合で40失点の守備陣をさらに強化するつもりだ。一方、同59得点だった攻撃面は「ゴールを目指す姿勢というのは選手に求めていく」とFWの選手だけでなく、チーム全体として得点に対する“嗅覚”を植えつけるとした。
本拠地・天童市は将棋の聖地。自らを駒の「歩」に例えた新指揮官が改革へ着実に歩を進める。(長井 毅)