望海風斗、見る者の心を“撃つ”秀作 念願のヌードルス役に挑戦! 

スポーツ報知
プロローグでマシンガンをぶっ放す宝塚歌劇雪組トップスター・望海風斗

 宝塚歌劇雪組公演「ワンス アポン ア タイム イン アメリカ」(脚本&演出・小池修一郎)が、新春の兵庫・宝塚大劇場をきりりと引き締めている。セルジオ・レオーネ監督、ロバート・デ・ニーロ主演で1984年に公開されたギャング映画が世界で初めてミュージカルに。ユダヤ系移民の子・ヌードルスの運命を体現する雪組トップスター・望海風斗(のぞみ・ふうと)は「三十数年の長い年月を映した人生のドラマ。自分の人生も振り返ることができる作品では」。見る者の心を“撃つ”秀作だ。(筒井 政也)

 花組時代の2007年、ギャングの世界を扱った「アデュー・マルセイユ」に出演して以来のマフィア映画好きが、想像を巡らせた舞台版で、自分がセンターに立っている。「小池先生がこの作品が好きらしいと聞いていて、いつかされるんじゃないかなと思っていた。ぜひ出演したい、他の組なら悔しいなという気持ちがあったので、すごくうれしかった。それも、まさかヌードルス役とは」と念願かなって笑みをこぼす。

 禁酒法時代のアメリカの貧民街で悪事に手を染めていたヌードルスが歩んでいく、悲しき愛と友情の物語。10代、20代、50代の3世代を一人で演じる。ヌードルスは縄張り争いの最中に警官を刺し殺し、刑務所へ。出所後、相棒のマックス(彩風咲奈)らと合流し、再び裏社会で暗躍するが…。

 「アメリカの底辺でしか生きられない人たちが、はい上がるためにやっていることですが『いつか別の場所に行きたい』と思っているのがヌードルス。憎んで恨み続けたアメリカに『いつか勝ってやる』というのがマックス。その対比が見えたらいいかな」。女優として躍進していく幼なじみ・デボラ(真彩希帆)との関係性も物語を引っ張る。

 ギャング役ではあるが、荒々しく感情を爆発させる役柄ではない。「ものすごく我慢強い。刑務所を出てからは、仲間と相容れないものが生じて、すれ違っていくというか、一人ポツンと取り残され、孤独感を抱えている。自分の感情だとこみ上げてくるような場面でも、ヌードルスは『うわ~っ!』とはならない。その感情に寄せていけたら。忍耐力? 私は全然ないです(笑い)」

 そんなはずはない。今春で宝塚生活は丸17年。ヌードルス同様、もがき苦しんだ時期があった。それでも「出会う人や作品が導いてくれた。それに(組子と)嫌でも一緒にいて、離れられない。いい意味で一人にはしてくれない場所。その環境が救い」と振り返る。

 中でも経験値が高まったのが花組時代の「オーシャンズ11」(13年)。カジノ王テリー・ベネディクトとして悪役チームを率いて稽古に励んだ。「ダンス、歌のスペシャリストがいて、毎回反省会。その中でリーダーでいる。強くなきゃいけなかった」。くしくも「オーシャンズ」も小池作品。「いい時にいつも小池先生が現れ、何かを残していただける。なくてはならない存在ですね(笑い)」。修羅場の先に栄光があった。

 2020年を表す一文字も、迷わず「強」とつづった。「もっと強くなりたい。トップ1年目は周りが見えない中、みんなに支えてもらった。2年目はいろんな挑戦をさせてもらったので、3年目はトップとして強く立つ。根っこのような、揺るがない強さがあれば、みんなも安心して舞台に立てるはず」。その思いが、まさに今作で発揮されている。

 2月3日まで。東京宝塚劇場では2月21日~3月22日に上演。

 ◆望海 風斗(のぞみ・ふうと)10月19日生まれ。神奈川県横浜市出身。2003年4月「花の宝塚風土記」で初舞台。第89期生。花組から14年に雪組に組替え。17年7月、雪組トップスターに就任。4、5月には東京と神戸で初のコンサート「NOW! ZOOM ME!」が開催される。身長169センチ。愛称「だいもん」「ふうと」「のぞ」。

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