寺田明日香、五輪に娘を「連れていく!」…ドーハ世界陸上で体得“世界のまたぎ”

練習を見つめる寺田明日香(カメラ・清藤 駿太)
練習を見つめる寺田明日香(カメラ・清藤 駿太)

 札幌市出身で陸上女子100メートル障害日本記録保持者の寺田明日香(29)=パソナグループ=が、4日、恵庭市内のインドアスタジアムで新年初練習。昨年9月に日本新記録の12秒97を樹立するも、東京五輪参加標準の12秒84はまだ届かず。昨年9月のドーハ世界陸上で体得した“世界のまたぎ”で5歳の娘・果緒ちゃんを五輪へ連れて行くことを誓った。

 特別なシーズンの幕開けにも、寺田は自然体だった。恵庭北高卒業後、ハイテクAC所属時に慣れ親しんだ練習場で、いつもの仲間たちと終始笑顔で汗を流した。「今年は勝負の年。もちろん気合は入るが、いつも通り陸上の楽しさを忘れないようにやりたい。ここでスピードを上げていきたい」と、迫る大舞台にも平常心を強調した。

 昨季は7人制ラグビー転向を経て、6年ぶりに陸上界に復帰。9月に山梨で行われた記録会で12秒97の日本記録を樹立。ドーハ世界陸上に出場と、飛躍のきっかけをつかんだ。ただ、世陸では13秒20で予選敗退。「日本新記録を出した人間としてこのままではいけない。進んでいかないと。今まで通りの練習ではいけない」と、世界との差を痛感した。

 世界を肌で感じ、気付かされたのがフォームの違いだ。「日本人はハードルを飛ぶ。ただ、海外はまたいでいる」と寺田。より低い位置から地面と水平に“またぐ”ことで、飛ぶ以上にタイムロスをなくすことができると考えた。日本人と体形、骨格の違う外国人選手のフォームを取り入れることは決して簡単ではないが、「フォームの習得に失敗しても誰かが続けばいい。まずは私がやらないと」と、“世界のまたぎ”を習得し、東京五輪参加標準の12秒84に挑む。

  • 真剣な表情でハードル練習を行う寺田

    真剣な表情でハードル練習を行う寺田

 一度は諦めかけた夢でもある。12年ロンドン五輪代表を逃し、13年、23歳で現役を引退した。同年に東京五輪開催が決まった時には「私は出られないし、寂しかった。家族で見に行けたらと思っていた」。16年に7人制ラグビー転向も陸上への情熱は消えず、家族の支えもあってもう一度トラックに戻ることを決めた。

 正月に行った書き初めには「果」の1文字をしたためたと明かした寺田。娘の果緒ちゃんの1文字でもあり「長年果たせなかった夢を“果たす”という思いを込めた。私にとって五輪を目指せるのは最後になる。家族を連れて行って大運動会になれば」と話す。集大成の東京五輪。選手として、家族を国立競技場に連れて行く。(清藤 駿太)

 ◆寺田 明日香(てらだ・あすか)1990年1月14日、札幌市生まれ。29歳。小学4年から陸上を始める。恵庭北高を経て08年北海道ハイテクAC入り。09年ベルリン世界陸上代表。13年6月の日本選手権を最後に現役引退。結婚、出産を経て16年、7人制ラグビー選手として現役復帰、18年にラグビー引退と陸上復帰を表明。

 ◆最近の五輪女子100メートル障害代表 2000年シドニー五輪に金沢イボンヌが出場、13秒16で準決勝8位だった。12年ロンドン五輪では木村文子が13秒75で予選落ちした。04年アテネ、08年北京、16年リオ五輪は出場者なし。

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真剣な表情でハードル練習を行う寺田
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