【箱根駅伝・渡辺康幸の目】区間に選手をはめる他校に対し選手に区間をあてる原采配

仲間の声援を受け笑顔を見せる青学大8区・岩見
仲間の声援を受け笑顔を見せる青学大8区・岩見

◆報知新聞社後援 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)復路(3日、芦ノ湖―東京・読売新聞東京本社前、5区間=109.6キロ)

 往路で圧勝した青学大が復路も2位と快走し、10時間45分23秒で2年ぶり5度目の総合優勝を決めた。前回、東海大がマークした大会記録を6分46秒も更新し、王座を奪還した。アンカーの湯原慶吾(2年)はスタッフ、選手全員が署名したフレッシュグリーンのタスキを見せつけて快走。栄光のゴールに飛び込んだ。シード権(10位以内)確保の危機から一転、王者が復活。原晋監督(52)が掲げた「やっぱり大作戦」は大成功した。

 青学大は、8区の岩見がポイントになった。7区までで東海大とは2分差。東海大としては、昨年MVPの小松で1分30秒は詰めたいところだったが、わずか1秒遅れに抑える力走だった。昨年4区で東洋大の相沢に負けて、原監督に「もう二度と使わない」と突き放され、泥臭く1年間練習してきた。苦労した選手は、苦しくなってからが強い。後半、遊行寺の坂できつくなってからが見事。9区神林の好走へ流れをつなげた。

 今回一番思ったのは、原監督の区間配置は、他の監督と逆の発想だということ。我々は各区間を上から大局的に見て、どの区間にどの選手を当てはめるか適性を考える。でも、原監督は選手の努力をよく観察した上で、この選手を使いたい、ならばどこの区間なら輝けるか、という目線で考えていく。ここが、他の監督と違う部分だなと感じている。

 例えば、中村は主要区間で格上に当てるとひるんでしまうから、小刻みにアップダウンのある7区に置いてみようとか。(前回区間15位だった)岩見にしても、1年間の努力を見て、8区に(東海大の前回MVP)小松が来ても勝てる、という起用だ。神林は下り基調の9区がいいし、湯原はあごが上がるけど、粘り強く走るから向かい風が吹く10区でも大丈夫だろう、と。過去の実績ではなく、1年間コツコツやってきた選手に、区間を当てはめていくという考え方だ。昨年、東海大に勝てない悔しさを味わい、結束して上を向いた時の青学大は本当に強い。

 今大会の好記録は気候や靴の影響もあるが、監督の緻密な指導、選手の潜在能力、進学してくる高校生のレベル向上、全てがかみ合ったものだ。トラックのスピードありきで今回の高速レースにつながっているので、夏場のトラックでの強化はどこの大学も避けては通れないだろう。(前早大駅伝監督、住友電工監督)

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