【箱根駅伝】青学、やっぱり強い往路新V 引退レースの4区吉田祐が区間新で再逆転

3年ぶり4度目の往路優勝を果たし、ガッツポーズでゴールする青学大5区・飯田(カメラ・竜田 卓)
3年ぶり4度目の往路優勝を果たし、ガッツポーズでゴールする青学大5区・飯田(カメラ・竜田 卓)
4区で逆転し、タスキを掲げて小田原中継所へ入る青学大・吉田祐
4区で逆転し、タスキを掲げて小田原中継所へ入る青学大・吉田祐
箱根4区の10傑
箱根4区の10傑
往路の上位成績
往路の上位成績

◆報知新聞社後援 第96回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)(2日、東京・読売新聞東京本社前―芦ノ湖、5区間=107.5キロ)

 青学大は、最初で最後の箱根路となった4区の吉田祐也(4年)が区間新の力走を見せ、従来記録(19年の東洋大)を5分15秒縮める5時間21分16秒の新記録で3年ぶり4度目の往路優勝を飾った。11番手で出番を逃し続けながら、チーム一の走り込みを続けた努力の男が晴れ舞台で輝いた。競技の第一線から退く予定も、原晋監督(52)は実業団チームに勧誘を呼びかけた。2区もルーキー岸本大紀が快走。4位までが従来の往路記録を更新した歴史的な高速レースを制した。(晴れ、気温6・9度、湿度51%、東南東の風0・9メートル=スタート時)

 やっぱり強い。首位・東京国際大と1分21秒差の2位で4区をスタートした吉田祐は13・7キロで首位に立つと、さらに加速した。デビューにして最後の箱根路で区間新をマーク。学生トップ選手の東洋大・相沢晃が前回マークした1時間54秒の区間記録を24秒、塗り替えた。「10年間、この一日のために走り続けてきた」。陸上を始めた中学以来の思いを込めた走りを終え、すがすがしい表情を見せた。

 王座奪還を目指す原監督が「(実況で)やっぱり勝てる! やっぱり青学大は強かった、と絶叫してもらいたい」と掲げた「やっぱり大作戦」を体現したような吉田祐だが、2、3年時はあと一歩で出番を逃していた。前回は10区に登録されながら、当日朝に鈴木塁人(たかと、4年)に出番を譲った。「2年連続11番手という立場から逃げず練習を積んだ」と、今は胸を張って話すが、前回の箱根後、昨年1月4日には逃げかけた。「これだけ練習しても出られないのなら、もう無理。やめたい」と弱音を漏らした。

 1月13日、新チーム初戦となった栃木・高根沢ハーフマラソンでは気持ちを切り替えられずにチームで下から4番目。原監督に激怒されたことで、「『何くそ』と見返す気持ち」になり、再び立ち上がった。最初で最後の箱根を目指し、走り込んだ。各自練習の日は、常にチームで一番のスピードで一番長い時間を走り込んだ。「この1年、精神的にも成長できた」と振り返った吉田祐に、「監督にすごく怒られていたし、本当にやめてしまうかも、と心配したけど、祐也は立ち上がった」と鈴木も最大限の敬意を表した。

 公式コメントでは「相沢君の記録を抜けるとは思わなかった」と謙遜した吉田祐だが、実は前夜に鈴木ら同期生に「相沢の記録を抜くつもりで走る」と宣言していた。有言実行の20・9キロだった。

 卒業後は、大手菓子メーカーのブルボンに就職。競技の第一線から退く予定だ。「走るのが好きだし、努力できる才能がある。『やっぱり走る』と翻意するように実業団チームの皆さんは吉田祐を口説いてほしい」と、才能を惜しむ原監督は「やっぱり大作戦」にかけて異例の呼びかけをした。早速、ある関西実業団は「ウチは4月入社でも受け入れたい」と興味を示した。

 吉田祐の魂が入ったタスキを受けた5区の飯田貴之(2年)も従来の区間記録を更新した。「“やっぱり指数”は100%。明日は500%まで振り切りますよ」と原監督は満面の笑み。明るく、そして泥くさい。青学大が持ち味を発揮してV奪還に王手をかけた。

(竹内 達朗)

 ◆吉田 祐也(よしだ・ゆうや)1997年4月23日、埼玉・東松山市生まれ。22歳。中学で陸上を始め、東農大三高を経て、2016年に青学大教育人間科学部に入学。3年時に日本学生対校選手権1万メートル日本人トップの3位。全日本大学駅伝5区区間賞。1万メートル自己ベスト28分42秒58。血液型AB。 164センチ、47キロ。

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