武藤敬司のW-1が大仁田対策で生み出した”一夜限りのFMW“…金曜8時のプロレスコラム

大仁田(手前中央)を攻める(奥左から)大森、征矢、AKIRAのフルメタルワイルド
大仁田(手前中央)を攻める(奥左から)大森、征矢、AKIRAのフルメタルワイルド

 武藤敬司(56)率いるWRESTLE-1(W-1、社長はカズ・ハヤシ)による大みそかオールスター戦「WONDER CARNIVAL」が昨年12月31日、エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)で開催された。

 プロレスリング・ノアのGHCヘビー級王者・清宮海斗(23)、全日本プロレスの世界タッグ王者コンビ・諏訪魔(43)、石川修司(44)、プロレスリングZERO1社長の大谷晋二郎(47)、ストロングマシーン軍団=DRAGON GATE=ら、8団体から50選手が集結した。

 元参院議員で7度目のプロレス復帰を果たしている大仁田厚(62)も特別参加し、大みそか初の電流爆破デスマッチを敢行した。大仁田は、弟子の田中将斗(46)=ZERO1=、レザー・フェイス(正体不明)とトリオを結成し、「ストリートファイト・テキサストルネード・バンクハウス電流爆破6人タッグデスマッチ」をW-1のリングに持ち込んだ。

 相手をしたのがW-1の征矢学(34)だった。大仁田は昨年11月27日のW-1後楽園ホール大会に乱入し「W-1さんよ。オレの電流爆破を上げる勇気はあるか?」とマイクアピール。リングで対応したのが征矢だった。大仁田から「お前誰だよ!12月31日、誰か電流爆破に上がる勇気あるやつはいるか?」と挑発された征矢は「12月31日、ちょうど対戦相手がXなんですよ。大仁田さんよ、邪道とか、王道とか、極道とかいろいろ道がありますけど、オレはワイルドなんで」と応戦した。

 征矢は大森隆男(50)=全日本プロレス=と「Get Wild」を再結成。かつて世界タッグや世界最強タッグ決定リーグ戦で優勝を飾った名コンビだ。さらに、元平成維震軍のAKIRA(53)=MAKAI=を引き入れた。そして、征矢はこのトリオに「Full Metal Wild」と命名した。そう、略してFMWだ。

 FMWは、元NWAインターナショナルジュニアヘビー級王者の大仁田が最初の引退から最初の復帰をするために旗揚げした団体「Frontier Martialarts Wrestling」。これをパロディにできる征矢はさすがだ。

 この試合は「NO WILD,NO LIFE(ワイルドのない人生なんて)」というサブタイトルが付いた。大仁田の入場テーマ曲は「Wild thing」だけに、ワイルド対決ということになる。さらに「2019年最後だから」(征矢)ということで、2019秒(33分6秒)1本勝負となった。そして、大みそかということで「火薬量が通常の3倍」とアナウンスされ、3本の有刺鉄線電流爆破バットが用意された。

 フルメタルワイルド軍は、迷彩柄のコスチュームで揃え、ワイルドぶりがなかなかいい。そして大仁田の邪道プロレスに付き合った。机上パイルドライバーや赤い毒霧などやりたい放題の大仁田。有刺鉄線バットを先に手にしたが、これを征矢が奪って爆破の一撃。小型爆弾が爆音とともに破裂した。その威力に爆破マッチ初体験の征矢、大森、AKIRAが思わず転倒した。

 衝撃と爆音にひるんだワイルド軍に対して、爆破を受けながらダメージは計算ずくの大仁田。反撃を受けたのは征矢だった。爆破バット2本目を正面から、3本目は背中から受けてダウン。大仁田のフォール勝ちとなった(13分36秒、片エビ固め)。

 リング上でマイクをつかんだ大仁田は「こんばんは、大仁田厚です。すいません。僕はふだんはこんな乱暴者ではありません。至って普通です。僕はこのレッスル1に爆破を持ち込んだ以上、目指すは、武藤の首ひとつ!」と叫んだ。当然のように武藤は現れず、武藤は自身の試合後のバックステージでもこの件について触れることはなかった。

 バックステージに転がり込んだ征矢は「おい、電流爆破、予想以上だ。チキショー」と叫んだ。ここから、面白すぎるゲットワイルド劇場が始まった。大森は「兄貴、大丈夫かよ。想像以上だったな。爆破したなー。見事に。この爆破兄貴が」と先輩ながら征矢のことを兄貴と呼ぶ大森の人が良すぎる名調子。「あの爆破を含めて大仁田厚だと思いましたよ」という名言も飛び出した。

 征矢は「悪いな、せっかくの3人のタッグがこんな形で終わっちまって。俺の電流爆破に付き合ってくれてありがとう。これで最初で最後のフルメタルワイルド」とトリオ解散を宣言すると、大森は「爆破したままで終わんねぇぞ」とトリオ続行を希望した。

 いずれにしても武藤のW-1が無謀な大みそか興行を開催したことで、その起爆剤として大仁田が参戦。そして、フルメタルワイルドが結成された。コスチューム的にも、なかなかのプロレス的かっこ良さがあった。かつてハルク・ホーガンが率いて、武藤の化身、グレート・ムタも参加した「nWo」(new World order)のようなユニットに成長してほしいと思った。ホーガンの必殺技、アックスボンバーの使い手でもある大森の希望通り、続行を願わずにはいられない。(酒井 隆之)

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