篠原信一の柔道一本 年末年始、どう迎える東京五輪イヤー? 五輪連覇狙うアノ人を直撃

大野将平(左端)と兄・哲哉さん(右端)と。顔のサイズに違いに注目?(篠原氏提供)
大野将平(左端)と兄・哲哉さん(右端)と。顔のサイズに違いに注目?(篠原氏提供)

 3か月ぶりのコラムになります! この秋は日本中を熱狂させたラグビーW杯期間中で、報知の担当者が相手にしてくれなくて(涙)

 さて! スポーツの偉業が盛りだくさんだった令和元年も、もうすぐ終わりですね。いよいよ来年は2020年東京五輪・パラリンピックがやってきます。4年に一度、いや! 一生に一度ですからっ! さて、東京五輪を目指す柔道選手は年末年始をどう過ごすのか? ちょっと気になりますよね? 今年最後のコラムはこのネタでいこうかと!

 【大野に直電インタ】

 この時期は大学や所属がオフ。そこで男子73キロの世界チャンピオン、大野将平選手に、お話を聞いてきました!

 篠原「(携帯電話の呼び出し音)プルルルルル…。ガチャリ(つながる音)」

 大野「はい…」

 篠原「突然ですが!」

 大「がちゃん(電話を切る音)」

 篠原「……。(携帯電話の呼び出し音)プルルルルル…。ガチャリ(つながる音)」

 大野「はい…」

 篠「気のせいですが、ワンギリではないですか?」

大「は、はいっ、い、いえっ(汗)」

 篠「突然ですが! 年末年始の稽古やトレーニングはどうすんの? って話、聞かせてください。所属や大学も練習はないでしょっ」

 大「本当に突然ですね(汗)。ご存じでしょうが、年末年始は柔道をする環境がないんです。なので、走ったりウエートトレーニングで体を動かして、汗を流してますよ」

 篠「ふ~ん…。どこで走ったりウエートするの? 一緒に走ろうか?」

 篠原が妄想した大野の心の声「いえ、けっこうです」

 本物の大野「(アメリカンスポーツアパレルブランドの)Championと契約してから、昨年は沖縄で過ごしました。今年はこれからグアムと、年末は暖かい環境でトレーニングさせていただきます」

 篠「グアムか…。オレも行っていい?」

 大「えっ!? 来なくていいです!(大汗) 他競技の選手とトレーニングするし。この“Champion合宿”って本当に新鮮で。楽しみながらリフレッシュしながら、この時期にしかできない身体作りに励みたいんです」

 篠原の心の声「邪魔されたくないのね(涙)」

 篠「来年の20年東京に向けてはどう?」

 大「はい。来年に向けては代表を取ることが目標ではなく、東京オリンピックでの2連覇が目標ですよ。2020年東京オリンピックを通じて国民の皆様に感動を届けられたらと強く思いを持っていますから」

 大野選手は今夏の世界選手権で3度目の頂点に立って五輪代表争いで大きくリードしてます。24日に公開されたNTCでの全日本強化合宿のコメントがかっこよかったなぁ。1964年東京オリンピックの柔道男子中量級最強の金メダリスト、岡野功先生もこられてましたね。そこで大野選手、「今年の勝った、負けたに意味はない。外国人選手は死に物狂いで五輪に来る。覚悟がないと闘えない」と。しっかり来年を見据えた心構えはかっこいい。

 【篠原の現役時代】

 2000年シドニー五輪を迎える年末年始か。そういえばボクはどうしていただろう…。なんせ、およそ20年前だからな~。「稽古の鬼」といわれた私、篠原信一は、365日トレーニングをしていた! ハズ…?? 年末年始のオフの過ごし方が他の選手との差を作っていたハズ。ハズ…?? え? 柔道の鬼こと、篠原信一ですから、オリンピックの金メダル目指して年越しで練習していたに決まっているでしょって、そこのあなた! はい。年末の稽古や練習は、普段から練習していた大学の練習が休みになる12月25日から翌年1月5日の約10日前後は練習がないので自主トレをしていたハズ。ハズ…?? まだ代表も決まっていなかったし、ボクチン、寒いとこ嫌いだから、こたつで丸くなっていましたニャン(汗)

 まぁ、全日本柔道強化合宿もあったので、12月末までは稽古にトレーニングをしておりましたが、そのあとはオフですよ! このオフになのをするかが大切なんです! 柔道の鬼ですから、身体を休めることの重要性もしっかり考えてたわけで。積極的な休息は本当に重要なんです。

 篠原が妄想した世間の声「積極的な休息って、ただ単にダラダラするための理由でしょ」。はい。その通りでございます。

 【実際は】

 当時を回想してみると。

 〈1〉「やった~! 合宿が終わった~! 休みだ休みだと大喜び」

 〈2〉「2日間は何もしないで飲んで食ってゴロゴロ」 

 〈3〉「明日はトレーニングするぞ!」

 〈4〉「明日から、明日からで10日が経過(汗)」

 〈5〉「年明けの合宿はブクブクで身体が動かない」

 〈6〉「先生に怒られる」

 〈7〉「ゼエゼエ、ハァハァと頑張る!」

 ▼結論 今考えたらダメだな(大汗)。

 【来年は子年】

 2020年は「子年」ですね! 再び新しい十二支のサイクルがスタートする年であります。ただ。年越しで練習するからといって、技術的な向上を磨くのとはちと違います。はい。気持ちの問題なんです。大野選手のように、精神面で意識と決意を固めるための稽古なんです(だと思う)。新鮮な気持ちに切り替える行事なんでしょうかね。

 【ワイハー】

 オリンピック前は監督やコーチが選手の意識を高めるために様々な試みを行ってきました。井上康生監督率いる男子全日本チームは、年末は休養や各自の練習をして、年明けの1月3日からハワイで強化合宿を行うようです。ボクチンも行きたい!

 【シ烈な代表争い】

 20年東京は代表選考でも例年の五輪と違います。19年中で五輪代表に決まったのは女子78キロ超級の素根輝選手だけでした。今まではこのようなことはなく、それまでは年明けの1月から3月まで欧州で開催される国際大会の結果と、4月の全日本選抜体重選手権で代表が決定していました。重量級は4月29日の全日本柔道選手権でした。

 20年東京の選考としては、19年の世界選手権の優勝者が、その後のグランドスタム(GS)大会以上の国際大会で優勝した場合は、臨時強化委員会を開催し審議することになっています。

 だから、この年末年始は、20年東京を目指す選手たちは、例年以上に気持ちもヒートアップしているというわけなんです。中でも世界チャンピオンは何としてもよい内容でGSで勝とうと気合が入ってくるし、そのチャンピオンに肉薄している選手たちも何とか巻き返しを狙っています。そのためにも年末年始の過ごし方、追い込みが重要になってきます。子年だけに「窮鼠(きゅうそ)猫をかむ」なんてことも十分、起こりえるでしょうね。

【風雲急告げる欧州遠征】

 個人的に興味があるのは、男子66キロ。19年世界王者の丸山城志郎と18年世界2連覇の阿部一二三の争いですね。一二三? 1、2、3? ちなみに1月23日は篠原信一さんのお誕生日です(うふ)

 脱線はさておき(汗)、今年11月のGS大阪で五輪切符にほぼ王手をかけていた丸山に、阿部が優勢勝ちで優勝し“待った”をかけました。ともに勝利への執念をかけた、すさまじい柔道を見せてくれました。

 その2人が、GSデュッセルドルフ(20年2月21日~23日予定)に同時に出場します。GSデュッセルドルフが終わった後の来年2月末には代表内定者の情勢がある程度は見えてきそうですが、どちらが勝っても20年代表に大きく近づきます。

 大事なのは「自分を信じてやらなきゃ前に進めません」ということです。「柔道の鬼」こと、あの偉大な篠原信一もそう言っていましたね(ドヤ顔)。

 丸山と阿部、この2人はどんな年末年始の過ごし方をしてるのでしょうか? 

こんど聞いてみよーっと!

 ◆篠原信一(しのはら・しんいち)1973年1月23日、神戸市出身。46歳。中学1年で柔道を始め、育英高、天理大を経て旭化成に入社。98~00年まで全日本選手権3連覇。99年世界選手権で2階級(100キロ超級、無差別級)制覇。2000年シドニー五輪100キロ超級銀メダル。03年に引退。08年に男子日本代表監督に就任し、12年ロンドン五輪で金メダル0の責任を取る形で辞任。

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