難病のKeiko、車椅子アイドル猪狩ともから障害者エンターテインメントが活発

猪狩ともかを先頭にパフォーマンスする仮面女子
猪狩ともかを先頭にパフォーマンスする仮面女子
熱唱するKeiko
熱唱するKeiko

 東京2020オリンピック・パラリンピックまで約9か月に迫った東京では、障害者エンターテインメントも盛り上がりを見せている。

 車椅子アイドルとして活躍しているアイドルグループ「仮面女子」の猪狩ともか(28)=スチームガールズ=がバリアフリーの理解を日本中に広める活動を精力的に展開し、猪狩の先輩で元仮面女子・桜雪こと橋本侑樹(ゆき)渋谷区議会議員(27)も積極的に障害者の理解を深めようと応援。仮面女子プロデューサーの友人で“百獣の王”タレント・武井壮(46)はパラスポーツの普及のためテレビ番組などで様々な競技に挑戦している。

 東京都でも多くのイベントが行われた。義足の女性アスリートたちが「切断ヴィーナス」としてファッションショーを開催し、車椅子や障害、難病を抱えている人にも当たり前のようにナイトライフを楽しんでもらおうとクラブイベントも活発だ。

 そんな中、指定難病「多発性硬化症(MS:Multiple Sclerosis)」を抱えるプロシンガー・Keiko(45)と車椅子シンガー・曽塚レナ(31、脊髄損傷)が8日にバリアフリー仕様レストラン・渋谷「Rebecca」で「バリアフリー トーク&音楽Live!『行きつけのお店を見つけよう』クリスマススペシャル」を開催した。

 好評を博しているこのシリーズは、NHK・Eテレなどで活躍している車椅子インフルエンサー・中嶋涼子(34、横断性脊髄炎)が司会を務め、会場には満席となる観客が詰めかけた。23区内で誰でも行けるお店を共有しようと開かれたイベントには、各種の障害を抱える人が健常者とも交流を深め、まさしくダイバーシティー(多様性)、インクルージョン(包括、共生)な光景が広がっていた。

 約20年で心臓を4回手術し重度の内部障害を抱えている記者は都内で開かれている各イベントの取材を行っているが、20年が近づいてきてこれらへの観客数が少しずつだが増えてきているように感じる。今年前半までは、こういったイベントに参加する人がほぼ限定されていた。どこに行っても参加している人は顔見知りが多かった。

 しかし、それが19年の後半に変わってきたように思う。もちろんスポーツ大会などでは、まだまだスポンサー関連の方々などの観戦が多いことは否めないが、そういった人たちが何回か足を運ぶことで魅力を発見し、仲間を連れて見にきてくれることが増えてきたのではないかと期待を持っている。健常者が障害者エンタメ、障害者スポーツのイベントに触れることで、その面白さを分かってもらえるようになったのではないか。障害を抱えている人たちと触れ合い、お互いの距離が少しずつでも縮んできたと歓迎したい。

 もっと多くの人にこれらのイベントに足を運んでもらうことで、健常者に障害、難病を抱えている人はどのような配慮が必要かを理解してもらうのを希望する。何も変わらない、同じ人間だということを分かってもらえると思う。そうする一方で、障害当事者も一般社会に溶け込むためにどういう行動を取ったらいいかを学べるはずだ。まず触れあうこと、その上で「無関心」「他人事」にするのではなく、一緒に行動し高くそびえ立っている“見えない壁”を壊していくことを願いたい。お互いに距離を置くのではなく、それぞれ尊重し歩み寄っていくことが一番大事なことだと考える。2020年が日本において第一歩を踏み出せる年になるように力を入れていきたい。(記者コラム・松岡 岳大)

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